東京版の記事一覧

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府中西・坂本瑞樹監督 「新しい府中西をつくっていく」

府中西・坂本瑞樹監督 新しい府中西をつくっていく 「選手たちは頑張って練習してくれていますが野球熱という意味ではまだ少し足りません。チームを強くする近道はないので、基礎練習を積み重ねて土台を作っていきたいと思います。今年度の入試から」文化スポーツ等特別推薦選抜制度が導入されるのでチーム全体の意識が変わっていくと思います。野球の魅力を伝えながら攻撃的な野球を実践していきたいと思います」 監督プロフィール 1984年東京都生まれ。日大鶴ヶ丘—日大。大学卒業後に教員となる。多摩、稔ヶ丘、練馬を経て2020年春から府中西監督。2021年夏ベスト32進出。現役時代は外野手。

【桐朋】主将のチーム分析

石畝裕 主将(2年=二塁手) 『文武一道』の精神で甲子園へ 「1〜9番までそれぞれが役割を理解し実践できるチームです。エース鬼塚心優、投打のキーマン森井翔太郎を軸に粘り強い戦いをみせて、『文武一道』の精神で初の甲子園出場を成し遂げたいと考えています」

安田学園・會田勇気監督「 伝統にふさわしいチームになる」

安田学園・會田勇気監督 伝統にふさわしいチームになる 「安田学園の伝統にふさわしい行動を取ることが大前提で、学校から応援されるチームにならなければいけない。大切なことは『今日一日』。1日の積み重ねが夏につながっていくと考えています。スター選手はいないので組織力を活かして部員全員で戦っていきます」 監督プロフィール 1992年東京都生まれ。明大中野八王子―明大―順天堂大学院。大学院在籍中から安田学園学生コーチを務め安田学園教員へ。2020年秋から監督。2021年秋都大会ベスト16。2013年選抜出場時のキャプテン渋谷大輔助監督と共にチーム強化を図る。

【聖学院】 「本当の本気」

2023年11月に新監督就任で新たな船出 2017年夏以来7年ぶりの単独チーム勝利へ 伝統校・聖学院に新たな風が吹き込んでいる。新監督就任によって野球の魅力を再発見した聖学院は、2017年夏以来の7年ぶりの単独チーム勝利へ向けて「本気」になる。 ■選手の可能性を引き出す指導 聖学院の選手たちの目がさらに輝き出した。駒込駅から徒歩5分の環境に位置する聖学院は、2017年夏に東東京大会2回戦で東洋に勝利して以来、単独チームとして勝利をつかむことができていない。その間、連合チームでの参加となった大会もあったが、2022年春の予選1回戦で光丘に勝利するなど野球が好きな選手たちがそのタスキをつないできた。単独としては6シーズンにわたり勝利がないが、中高一貫・中等部には軟式野球部があり、1学年10人以上の部員が白球を追う。高校で野球を続ければ“6年間の一貫指導”が可能となり、チームとしての可能性は高まっていく。現に今春入学の中学3年生は、すでに高校野球部の練習に参加。高校野球デビューを待ちわびている。 ■未知なる可能性を秘めるチーム 未知なる可能性を秘める聖学院に2023年11月から、神奈川県立藤沢西で実績を残した三宅裕太監督が就任した。三宅監督は、選手たちの長所を伸ばす指導に定評があり、藤沢西指揮官時代には地道にチーム強化を図った。中学時代に実績のない選手の特徴を見極めて、親身になって指導。高校2年半で確固たる自信をつけた選手たちは、強豪がしのぎを削る神奈川高校野球の舞台で堂々とプレーし、2022年夏にはベスト16進出を成し遂げた。そして縁があり外部監督として聖学院で指導することになった。新指揮官が選手たちに伝えているのは「本当の本気」。三宅監督は「選手たちにはそれぞれの可能性を限定してほしくない。本気で行動することで視野が変わってくる。それは勉強や学校生活にもつながっていくはず」と選手の背中を押す。 ■流した悔し涙が成長の証 新指揮官就任後、聖学院は格上チーム相手の練習試合を積極的に組んでいった。最初の試合は2対29で大敗するなど連戦連敗の日々だったが、選手たちの意識は変わっていった。11月下旬の練習試合では実力チーム相手に接戦を演じるなど手応えをつかんだ。敗戦後、選手たちが流した悔し涙が成長の証だった。当初は控えめだった声も、ダイヤモンドに飛び交うようになった。藤井悠輔主将(2年=内野手)は「基礎練習をはじめ礼儀や声などを意識してから雰囲気が変わってきた。みんなが本気になることでチームは強くなっていけると思う」と話す。キーマンの有澤一路副将(2年=捕手)、新藤勇翔(2年=内野手)も「新しい体制になってからの1カ月でチームは大きく変わった。本気になることでチームを変えていきたい」と練習に打ち込む。本気になった選手たちがどこまで進化を遂げるか。聖学院スピリットを宿す選手たちは、オンリーワンのチームを目指す。その先に7年ぶりの勝利がある。  

【府中西】主将のチーム分析

後藤伊吹 主将(2年=左翼手) チーム一丸となって戦っていく 「攻撃は、前田唯斗、農塚就介が軸になって得点に絡んでいきます。投手はサイドスローのエース新沼陸が軸になります。人数は2年生8人、1年生7人ですが個性あふれる選手が揃い、一体感では負けません。チーム一丸となって戦っていきたいと思います」

【桐朋】 「文武一道」

「文武一道」「挑戦 甲子園」が旗印 投打の二刀流・森井翔太郎「プロ志望表明」 都内屈指の伝統進学校・桐朋。各大会で存在感をみせるチームは「文武一道」の部訓のもと悲願の甲子園出場を目指していく。 ■文武を極めることで結果をつかむ 都内屈指の伝統進学校・桐朋の専用グラウンドには「文武一道」「挑戦 甲子園」の横断幕がバックネットに掲げられている。選手たちは日々、2枚の横断幕を目にしながら練習に励む。2003年秋に都ベスト8で21世紀枠候補選出となったほか各大会で強豪相手に接戦を演じるなどインパクトを残している。一般的に「文武両道」の言葉は耳にするが、桐朋は「文武一道」を標榜する。学問と部活は違う領域ではなく、最終的に同じ所に行き着くという教え。選手たちは文武を極めることで真の強さを養っていく。田中隆文監督は「勉強も野球も高い目標を設定し志すことで成長できる」と生徒たちの背中を押す。 ■投打の魅力あふれる「二刀流の進化」 今季のチームで注目を集めるのは、プロスカウトが熱視線を送る「投打の二刀流」森井翔太郎(2年=投手・内野手)だ。投げては最速140キロ超を記録し、打席に立てば鮮やかな弧を描く本塁打を打ち込む。身長181センチ86キロのバランスの取れた身体に加えて、遠投110メートル、100メートル走11秒前半のタイムをマーク。投手としてもバッターとしても未完成であることが最大の魅力だ。高卒時点でのプロ入りを目指す森井は「プロ野球選手になることが将来の夢。チームで結果を残した上で今秋のドラフトで指名される選手になりたい。もし難しければアメリカへ留学して将来のメジャー入りを目指したい」と気持ちを固める。「プロ志望表明」した逸材が今季、どんな進化を遂げるか注目だ。 ■野球も勉強も100%

【桜美林】 「新体制始動」

春6回夏4回の甲子園出場を誇る伝統校 「明日もまた野球がしたい」と思えるチームへ 桜美林は1976年夏に甲子園初出場で初優勝を成し遂げた実績を誇る。春夏計10回の甲子園出場を誇る伝統校は2023年秋に新監督が就任。新たな体制で2002年以来22年ぶりの甲子園を目指す。 ■土台を継承して次世代へ 春6回・夏4回の甲子園出場を誇る伝統校・桜美林が、新たな指導体制で甲子園を狙う。2023年夏までチームを指揮した片桐幸宏監督が定年となるために西東京大会を最後に勇退。OBの津野裕幸氏が同年秋から監督に就任し新たなスタートを切った。津野新監督は桜美林卒業後に社会人シダックスでプレー、都市対抗野球大会に4度出場。現役引退後には桜美林大監督として手腕を発揮し、2016年秋に首都大学リーグで初優勝したほか明治神宮大会準優勝の実績を持つ。OB指揮官がチームのバトンを受ける形となった。津野監督は「片桐前監督の土台を継承して次世代へつなげていきたい」と母校のグラウンドに立つ。 ■全員の声が新しいチームを作る 津野監督は現役引退後、大学で学び直したのちに桜美林大で指導。社会人、大学野球の経験を携えて高校野球指導の世界へやってきた。大学指導時代は、佐々木千隼(日野高―桜美林大―ロッテ―DeNA)を育てロッテにドラフト1位で送り出すなど選手育成への評価も高い。津野監督は「高校野球の“環境”が変わっていく中で時代に合わせたマネジメントを目指す。選手たちが『明日もまたみんなで野球がしたい』と思えるチームにしていきたい」と語る。選手たちの個性や意見を尊重し、全体ミーティングのほか、ポジション別や少人数グループミーティングを実施。学年の枠を越えて部員全員の声をチームマネジメントに反映している。「チームはレギュラーだけで戦っているのではない。全員の声が新しいチームをつくっていく」。風通しの良いマネジメントによって、チームは活気付く。 ■野球小僧が集まる「伸びしろ軍団」 2024年のチームは、合代達哉主将(2年=内野手)を軸にして団結している。前チームにはエース吉田啓人、松村健吾ら西東京屈指の力を持つプレーヤーがいたが、現チームは「伸びしろ軍団」。3番ショートの攻守の要・柳原太陽(2年=内野手)、4番サードの岩ケ谷峻斗(2年=内野手)らが柱となり屋台骨を形成。最速133キロ右腕エース沼田優杜(1年)、リードオフマン増田篤暉(1年=内野手)ら1年生プレーヤーも伸び伸びと練習に励む。  学年の枠を越えた競争によってチームは進化。秋大会は1回戦で東京、2回戦で文京に勝利したものの3回戦で日大鶴ヶ丘に完敗。選手たちは、春・夏の巻き返しを誓って汗を流す。チームは近年の大会で「ベスト8の壁」に進路を阻まれている。エース沼田が「春までに球速を伸ばし、大事なゲームで勝てるピッチャーになりたい」と話せば、合代主将は「全員の力を合わせて勝利をつかむ」と力を込める。選手の意志を力に変える新生・桜美林は、トーナメントの頂点まで突き進んでいく。

【安田学園】打撃陣 & Wエース

打撃陣 平川蒼也(2年=中堅手)/ 河田佑真(2年=右翼手) /齋藤輝(2年=遊撃手) 平川蒼也が巧打と守備でチームを支え、河田佑真は3番打者として得点に絡む。ショートストッパー齋藤輝は攻守にセンスみなぎるプレーで屋台骨を形成する Wエース 田畑暁哉(2年)/ 稲葉颯来(1年) 安定感を誇る技巧派右腕の田畑暁哉と、粘り強いピッチングをみせる軟投派サウスポー稲葉颯来。今季の安田学園は、右と左のダブルエースで勝ち上がっていく

【実践学園】Pick up & 投手陣

Pick up 大金優馬(2年=中堅手) チーム屈指の出塁率でチャンスメークするリードオフマン。広い守備範囲も魅力 藤代大空(2年=左翼手) 状況に応じて広角に打球を打ち分けるクレバーなバッター。2番打者として役割を果たす 投手陣 林恭佑(2年)/小川裕大(2年)/半澤陸(2年)  

【桐朋】Pick up & エース

プロ注目/森井翔太郎(2年=投手・三塁手) 世代屈指の身体能力を誇る「投打の二刀流」。高校卒業後のプロ入りを目指して心技体の強化に励む エース/鬼塚心優(2年) 最速135キロのキレのあるストレートを内、外へ投げ分ける実戦派右腕。球質は2300回転をマーク Pick up/石畝裕主将(2年=二塁手) 攻守に堅実なプレーをみせるキャプテン。グラウンドでの姿勢で、伝統進学校のプライドを示す

聖学院・三宅裕太監督 「本気の先に勝利がある」

聖学院・三宅裕太監督 本気の先に勝利がある 「2023年11月から聖学院で指導を任せていただきました。2017年夏以降、勝つことができていないチームですが、選手たちは大きな可能性を秘めています。選手たちに伝えているのは『本当の本気』。本気になった先にある勝利をつかみにいきたいと思います」   監督プロフィール 1989年神奈川県生まれ。藤嶺藤沢−神奈川大(軟式)。神奈川強豪・武相で指導したのち2017年に藤沢西へ着任しコーチ、監督を歴任。2022年の神奈川大会でベスト16進出。鶴見大附コーチを経て2023年11月に聖学院監督就任。

【府中西】 「変化の兆し」

2019年夏にベスト16へ進出した都立気鋭 文化スポーツ等特別推薦開始で高まる期待 2019年夏にベスト16へ進出した実績を持つ府中西。2021年夏にも4回戦へ勝ち上がるなど力を誇示。激戦区・府中から都立野球の魅力を発信していく。 ■過去最高タイの16強以上を目指す 何かを起こす予感が漂っている。JR南武線「西府」駅から徒歩15分の位置にある府中西。広大な学校敷地には野球に打ち込めるグラウンドが整っている。野球部は、恵まれた環境で日々のトレーニングに励む。府中、国立、立川、日野エリアは高校野球の激戦区だが府中西は2019年夏にベスト16、2021年夏にはベスト32へ進出するなど実績を残す。野球を本気で楽しみながら結果を追求するスタイルは健在。チームは過去最高タイのベスト16以上を目指して邁進している。野球部は2023年度入試から文化スポーツ等特別推薦選抜制度が導入され野球部強化を図っていく。チームには新しい風が吹き込み、変化の兆しが見えている。 ■都立の野球を知る指揮官 2020年春からチームを率いる坂本瑞樹監督は、日大鶴ヶ丘出身で高校時代に西東京大会決勝へ進出した経験を持つ。前任校の練馬時代の2017年夏は4回戦で佼成学園と対戦し延長11回の激闘で敗れたもののベスト32を達成。2019年夏には4回戦で都立強豪・日野に勝利するジャイアントキリングを達成してベスト16へ進出した。練馬ではその夏に監督を譲ると、府中西に戦いの場を移した。コロナ禍での異動だったこともあり難しい状況ではあったが、2021年夏には4回戦へ進出。選手の長所を引き出す戦いで都立野球の魅力を知らしめた。坂本監督は「結果が選手の励みになっていく。府中西でも土台をしっかりと作って、魅力ある攻撃的な野球を目指していきたい」と話す。 ■目標は西東京大会ベスト8 現在の部員数は、2年生8人、1年生7人の計15人。センスあふれる1番打者の前田唯斗(2年=外野手)が出塁して、2番・宮前龍(2年=内野手)が献身的な打撃でチャンスを広げる。そして1年生ながら4番を任される農塚就介(1年=捕手)が勝負強いバッティングでランナーを還していく。投手陣では右サイドの長身右腕・新沼陸が緩急と制球力を活かしたピッチングでゲームメイク、1年生の林風馬は昨夏から背番号1を背負っている。新チーム始動以降、1年生が力を伸ばしてチームは確実に進化している。後藤伊吹主将(2年=外野手)は「人数は少ないがみんな野球が好き。個性的な選手が揃っていて、一つになれば大きな力を発揮する。西東京ベスト8まで進出して神宮球場で戦いたい」と笑顔をみせる。府中西は、野心を胸に新たな未来を拓いていく。  

桜美林・津野裕幸監督「準備なくして成功なし」

桜美林・津野裕幸監督 準備なくして成功なし 「2023年秋から母校の監督を任せてもらえることになりました。選手に伝えていることは『準備なくして成功なし』という言葉です。根拠のある最善の準備をして、継続して努力していくことが選手の成長につながっていくと考えています」   監督プロフィール 1971年東京都生まれ。桜美林―シダックス。社会人シダックスでプレー後の2002年に母校・桜美林職員となり高校コーチ。2011年から桜美林大助監督、2013年から監督を務める。2023年秋から桜美林高監督。  

【実践学園】 「自己実現」

2023年夏ベスト8進出、進撃のタスキ 個性を活かすマネジメントで飛躍 2005年春に都大会準優勝の実績を持つ実践学園は、2020、2023年夏の東東京大会でベスト8進出を果たすなど地力を伸ばす。ベテランOB指揮官が率いるチームは、野球を楽しみながら進化している。 ■73歳のベテランOB指揮官 練習場の雰囲気の良さが結果につながっている。実践学園は2018年度より、スポーツ・サイエンスコース(SSコース)を設置。野球部、サッカー部の生徒たちは八王子の高尾教育・研修センターで部活と勉強の両立を図っている。野球部は人工芝の恵まれた環境で野球を楽しみながら練習に励み、グラウンドには活気ある声が響いている。練習を見守るのは73歳のベテランOB指揮官・網代潤一監督だ。ジュニア東京選抜の監督を務め国際大会で指揮経験を持つ網代監督は「生徒たちは、孫と同じ世代。ノックなどは若い先生たちに任せて、自分は生徒たちの成長を見守っていくだけ。選手たちの戦いに一喜一憂しながら楽しませてもらっています」と微笑む。 ■各選手の力を融合する 網代監督は2005年春都大会で準優勝の実績を残すと、一度は監督を退いたが2021年秋から再登板。選手の長所を活かすマネジメントで、チーム全体を底上げしている。ベテラン指揮官は「野球指導を取り巻く環境や時代は変わっても、ボールは丸く、ベース間の距離も変わっていない。基本を徹底して、試合を楽しめる選手になってほしい。スター選手はいないので、それぞれの力を融合することが大切だ」と話す。2023年夏にはノーシード参戦ながらも4回戦で東京成徳大高を撃破して勢いに乗ると、続く5回戦でも日本ウェルネスに逆転勝利してベスト8へ進出した。準々決勝では城西大城西に屈したが、実践学園のスタイルを体現してみせた。 ■投打ともに伸びしろ十分 実践学園の選手たちは学年の枠にとらわれず、伸び伸びと練習に打ち込み、野球を通じて自己実現を追求している。今季のチームは、長谷川巧磨主将(2年=捕手)を軸に、大金優馬(2年=外野手)、藤代大空(2年=外野手)、細沢斗輝(2年=外野手)ら打撃陣が力強い打球を飛ばし、投手陣は最速138キロの本格右腕小川裕大(2年)、林恭佑(2年)と半澤陸(2年)のダブルサウスポーが力を伸ばす。チームは年末年始に、近くの神社の100段階段を何度も登って心身を鍛え上げた。1月の初練習では、高尾山へ登頂し2024シーズンのスタートを切った。長谷川主将は「実践学園らしい積極的な戦いをみせて去年の夏(ベスト8)を超えていきたい」と胸を張る。野球を楽しみ、チームを愛する選手たちが輝く季節が、もうすぐやって来る。  

【安田学園】主将のチーム分析

増田光太朗 主将(1年=一塁手) 『今日一日』を大切にしていく 「選手一人ひとりの意識が高く、一丸となって戦うことのできるチームです。守備からリズムをつくって攻撃につなげていく戦いが特長。春、夏は機動力を活かした攻撃をみせていきたいと思います。『今日一日』を大切にして悔いのない時間を過ごしていきたいと思います」

【連合チーム】「野球ができる喜び」

立川国際・東村山・府中・都武蔵 4校連合で秋予選1勝 チームに芽生える一体感 2023年秋予選で立川国際・東村山・府中・都武蔵が4校連合で戦った。人数が少ないながらも懸命に戦うチームには、確かな一体感が生まれている。 ■2つの連合チームが合併 立川国際・東村山・府中・都武蔵の4チームは、2年前まではそれぞれが単独出場していた。だが、部員減少によって単独チームが維持できずに連合での出場となった。進学校・立川国際は、これまで秋に連合で戦ったケースがあったが、夏は人数が揃って単独で戦うことができていた。しかし、小中高一貫への移行によってグラウンドに新校舎が建設されることなどから部員減少。2023年夏は都武蔵との連合チームになっていた。今秋には「立川国際・都武蔵」と「東村山・府中」による4校連合で予選に出場し、予選1回戦では産業技術高専に勝利している。 ■秋予選勝利が大きな励み 4校連合の部員数は2年生5人、1年生6人。秋大会以降は、地域交流大会「東村山CUP」に参戦し実戦経験を積んだ。平日は各学校で個人練習を積み、それを実戦で試す日々。試合がない週末は、東村山の校庭で連携プレーなどを磨いた。平日は、少人数での地道な練習が続くが、連合チームでプレーすることが励みになっている。府中の寺澤一道(1年=内野手)が「入学から連合だったので戸惑いはあったが、指導者も多く、楽しく野球ができている」と話せば、エースの立川国際・飯島路翔(2年)は「秋の予選で1勝できたことは嬉しかった。練習試合を重ねることでどんどん良いチームになっている」と手応えをつかんでいる。 ■野球ができる環境を作っていく 4校連合は、来年3月の春予選も一緒に戦っていく。春大会後は、新入生の入部状況によってチーム状況が変わるため未定となっている。立川国際・山﨑周主将(2年=捕手)は「学校の練習環境がそれぞれ違って練習メニューも限られるが、みんなで補っていくことでチームとして強くなれる。春大会後はどうなるか分からないが、一体感が生まれているので夏も一緒に戦いたい」とチームをまとめている。渡部正樹監督(都武蔵)は「1校の選手は少なくても、連合の仲間がいることで平日の個人練習も頑張ることができる。人数が減ってあきらめてしまうのではなく、生徒たちに野球ができる環境を用意することが指導者の役割だと思っている」と語る。野球ができる喜びを追求した先に大きな勝利がある。

【連合チーム】主将のチーム分析

山﨑周 主将(立川国際2年=捕手) みんなの力を合わせて勝利を目指す 「立川国際・東村山・府中・都武蔵による連合チームです。平日はそれぞれの学校で練習を積んで、週末の試合で一緒にプレーしています。学校は違いますが同じチームの仲間。みんなの力を合わせて勝利を目指したいと思います」

城西大城西・安保隆示監督 「『思いやり』と『仲間意識』を大切に」

城西大城西・安保隆示監督 『思いやり』と『仲間意識』を大切に 「選手たちに伝えていることは『野球、そして勝負を楽しもう!』ということです。新チームで大切にしていることは『思いやり』と『仲間意識』。仲間のためにプレーすることが野球の原点と考えています。OBの方々に、再び強くなった城西を見てもらいたいと思っています」   監督プロフィール 1970年東京都生まれ。浦和学院―日体大。浦和学院のコーチ、部長を歴任して2020年に城西大城西部長着任。2023年6月から監督。同年夏の東東京大会でベスト4進出。

【明学東村山】 「史上最強」

ベスト32を超えてベスト16以上へ 創部60周年のメモリアルイヤー 選手の個性を活かしながらチーム力を高めている明学東村山。OB指揮官のもと士気高まるチームは、過去最高のベスト32を超えてベスト16以上を目指す。 ■今秋は学校初のプロ選手誕生 飛躍のための環境と覚悟は揃っている。2016年に校庭が人工芝となり、プレーしやすい環境となった。1963年の学校創立と共に創部となった野球部の部訓は「闘魂」。野球部初代監督の福島和敏さんが作ったもので、目指すべき姿がバックネット裏に掲示されている。チームは2017年に西東京4回戦(ベスト32)へ進出。それが最高成績となっている。2022年夏には八王子と2対3の接戦を演じてみせた。今秋のプロ野球ドラフト会議では2017年のエース澤柳亮太郎(明学大―ロキテクノ富山)がソフトバンクから5位指名を受けた。学校初のプロ野球選手誕生は、選手たちの刺激となった。 ■伝統を継承しながら新たな野球部へ 2021年夏まではベテラン指揮官・熊谷政広氏が指揮を執ったが、同年秋からは熊谷氏の教え子でOBの工藤大二郎監督が就任、チームの伝統を引き継いでいる。工藤監督は、熊谷前監督の教えである「誰からも信頼されて、愛される野球部」になるために、「挨拶・礼儀」、「時間厳守」、「整理整頓」、「規則を守る」、「報告・連絡・相談」を徹底。学校の模範になることを求めている。選手の個性を尊重する工藤監督は「自分は明学野球部に育ててもらったので、恩返しとして後輩たちを指導させてもらっている。普段の生活が結果につながっていく」と語る。チームは2022年から丸刈りを撤廃、伝統を継承しながらも新たな野球部のスタイルを構築している。 ■学校生活を含めて最高のチームへ チームは活気と情熱にあふれている。その中心を担っているのは前年度からキャプテンを務める佐藤輝波主将(2年=捕手)だ。強い意志とキャプテンシーを備える佐藤主将がチームを牽引している。打撃陣は、小谷秀志(2年=内野手)、松尾悠人(2年=内野手)、佐藤主将がチャンスメーク。投手陣は、エース内村昊平(2年)を軸に力を伸ばす。秋大会は予選で立教池袋を撃破して1回戦では城西大城西と真っ向勝負。7対9で惜敗となったが、手応えはつかんだ。  明学東村山は創部60周年のメモリアルイヤーを迎えている。60周年の節目に、過去最高成績へ。佐藤主将は「自分たちの代でベスト16以上に進出して、学校生活を含めて明学史上最強のチームになりたい」と話す。選手たちは、最強、そして最高のチームを目指す。

明星・永田昌弘監督 「人生最後のチャレンジです」

明星・永田昌弘監督 人生最後のチャレンジです 「明星から声をかけていただき感謝しています。人生最後のチャレンジと考えて全力を尽くしたいと思います。選手たちには、甲子園が夢ではなく、努力すれば絶対に手が届く場所だということを伝えたい。『府中市から初の甲子園出場』を成し遂げたいと考えています」   監督プロフィール 1958年、愛知県出身。中京高(現中京大中京)―国士舘大、東京ガスで内野手として活躍。1983年に国士舘高の監督に就任し2005年まで指揮。国士舘大監督を経て2016年秋に再就任し2022年3月で勇退。国士舘では春夏通算10度の甲子園出場。2023年12月に明星監督就任。

【目黒日大】エース & Pick up & 主砲

エース 齋藤光純(2年) 185センチの大型サウスポー。現在の球速は130キロ弱だが伸びしろ十分の逸材だ Pick up 織田隆央(2年=三塁手) どんなボールにも対応できる粘り強い打撃が売りの好打者。勝負強さを備えている   平井俊馬(2年=中堅手) 俊足を活かしたプレーが持ち味のアベレージヒッター。野手間に鋭い打球を飛ばす

【日大二】主将のチーム分析

樋口結 主将(2年=中堅手) 秋ベスト4の結果に満足しない 「鈴木勝也と宮村笑琥の投手陣をベースに守備でリズムをつくって攻撃へつなげるチーム。機動力を活かした攻撃がチームの特長です。秋ベスト4に入りましたが準決勝では自分たちの力を発揮できませんでした。秋の結果に満足せずにレベルアップして優勝を目指したいと思います」

【城西大城西】主将のチーム分析

両角尚樹 主将(2年=遊撃手) 選手がそれぞれの役割を果たす 「今年の城西は打撃力のチームです。上位打線の力はどんな相手にも負けません。投手を含めた守備力を高めて春、夏へ向かっていきます。各選手がそれぞれの役割を果たすことでチームとしての形を作っていきたい。先輩たちが夏ベスト4の結果を残してくれたので、思いを引き継いで東東京優勝を狙っていきたいと思います」

【連合】立川国際・東村山・府中・都武蔵 監督コメント

都武蔵・渡部正樹監督 野球を続けられる環境をつくりたい 「野球人口の減少によって小規模チームが増えている状況ですが、野球部に入っている生徒のために連合チームとしてしっかりと活動をしていきたいと思います。一人でも多くの生徒たちが野球を続けられることを願っています」 監督プロフィール 1968年秋田県出身。鷹巣高―早稲田大。大島、東大和、清瀬、小平を経て都武蔵を指導。オリックス中嶋聡監督は、中学時代に全国大会に出場した時のチームメイト。英語科教諭。   立川国際・東村山・府中・都武蔵 「立川国際・都武蔵」と「東村山・府中」の連合チームが合併して2023年秋から「立川国際・東村山・府中・都武蔵」として再編し予選に出場した。2024年春予選も4校連合で戦う。来夏は、新入生の動向によって各校が単独出場する可能性がある。

【目黒日大】主将のチーム分析

川﨑大絆 主将(2年=右翼手) 勝ちきれるチームになる 「今年の学年は明るい世代で、気持ちで向かっていけるチームです。投手力が特長で2年生の齋藤光純のほか1年生にも好投手が揃っています。バッターは、織田隆央、平井俊馬、山口晃生が軸。春、夏に勝ちきれるチームになっていきます」

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