【小山西 野球部】「20年目」 #小山西

2002年甲子園出場の伝統校
SNS活用、髪型自由の本格派野球部

2002年に甲子園初出場した伝統校・小山西。2年前は部員減少に見舞われたが、新たなスタイルを追求することで復活。チームは2度目の甲子園を目指す。

■伝統野球部存続の危機

小山西は2002年夏、「ふれあい野球」を掲げて栃木県大会を勝ち抜き、初の甲子園出場を決めた。甲子園では初戦で熊本工に勝利し、聖地で校歌を響かせた。今年の新チームは、あの夏から「20年目」のシーズンとなる。甲子園出場の2000年代は上位進出を果たしていたチームだが、2010年以降は、私学台頭の流れの中で勝てない時間が続き、3回戦を突破することができていない。2019年秋の新チーム始動時は、1・2年生合わせて9人となってしまった。秋大会にはなんとか単独チームで出場できたものの初戦で佐野松桜に敗戦、伝統野球部存続の危機に陥った。

琴寄元樹監督は、髪型を自由にするなど新たな方針を打ち出す。2020年には12人の新入生が入部し、チームは再生の一歩を踏み出した。

■今秋はシード権を獲得

チームは今夏、1、2回戦を突破し3回戦へ進出した。部員減少の代にあたる3年生は4人のみ。夏のレギュラー9人中、7人が2年生というフレッシュなチームは、1回戦で小山北桜に9対7で勝利、2回戦では宇都宮白楊に3対1で競り勝った。3回戦の相手は、結果的にベスト4へ進出した宇都宮短大附。小山西は、菊池修蔵(2年)が先発し、エース山中太陽(3年)がリリーバーとしてマウンドに立った。ゲームは終盤まで2対4で進む一進一退の攻防、しかし9回に2点を奪われて2対6で終戦となった。勝つことはできなかったが、2年生主体の若いチームにとって大きな自信となったのも確かだった。

新チームは、夏の主力を中心にスタート。交流戦では2回戦で足利工、決勝で青藍泰斗を下してシード権を獲得した。

■2度目の甲子園へ個性派集結

今季のチームには個性豊かな選手が揃う。大型スラッガー猪瀬優樹(2年=左翼手)は、中学時代は陸上部で短距離と砲丸投げの選手だった。猪瀬は「小さい頃から野球が好きだったが踏み切れなかった。髪型が自由だったこともあり、チャレンジしたいと思った」と振り返る。野球初心者だったがめきめきと力を伸ばして、押しも押されぬ主軸となっている。また、1年生でも小田泰己が迫力のスイングをみせている。エース菊池修蔵(2年=投手)は整ったフォームから最速142キロのストレートを投げ込む本格派。低めに刺さるスライダーも魅力十分だ。エース兼4番の役割を担う菊池は「投打でチームを引っ張って、一つでも上へ行きたい」と、小山西復活を誓う。

栗原悠主将(2年=捕手)は「秋大会は一つの通過点。チーム全体で成長していって、2度目の甲子園を狙う」と気持ちを込める。初甲子園から20年、小山西の時計は再び動き始める。

SNSで情報発信

小山西は、野球部のSNS担当を務める菊地詢部長がインスタグラムとツイッターを開設し、情報発信を行っている。練習風景や試合活躍選手などを掲載し、「いいね」を集めている。菊地部長は「小山西野球部を知る“きっかけ”になってくれれば」と話す。

 

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