【春季高校野球東京都大会レポート  関東一 「雪辱」 】

準決勝で菅生を下して決勝へ
投打にスケールアップしたチーム

関東一が春季都大会準決勝で東海大菅生を下して決勝へ進出した(決勝は延期)。一戦ごとにたくましさを増したチームは、投打にスケールアップした姿をみせた。

■全員が主役のチーム

東東京の雄・関東一が、盤石な戦いで決勝戦へ駒を進めた。それぞれが個人として力を備えているが、個人が目立つことは決してない。全員主役。各プレーヤーがチームの勝利のために役割を果たせるのが強さの要因だ。春季都大会も全員の力を結集して、一戦一戦を勝ち上がった。コロナ禍で準備期間が限られた大会で他強豪チームが思わぬ苦戦を強いられた中でも関東一は自分たちの戦いをみせていった。米澤貴光監督は「コロナ禍で実戦経験が足りない中で、選手たちは1試合1試合を粘り強く戦ってくれた」と話す。

■一戦ごとに強くなった選手

初戦で都立実力校・文京を下すと、2回戦では私学気鋭・共栄学園を相手に、2年生右腕・成井颯の被安打1という好投で、4対1で勝利した。3回戦の相手は、帝京、岩倉を破って勝ち上がってきたダークホース日本学園。勢いに乗る相手だったが、1番・染谷真ノ介の先頭打者本塁打で先制すると2回には一挙4点を取って主導権を奪い8対1でゲームを締めた。試合経験を積むに連れて増強したチームは準々決勝で国学院久我山に勝利して準決勝・東海大菅生戦を迎えた。

■秋の悔しさを力に変えて

関東一は、秋季大会準決勝で東海大菅生に5対7で敗れ選抜への道を阻まれた。春季も同じ準決勝で顔を合わせることになった。同じ相手に2度続けて負けるわけにはいかない。関東一は強い気持ちでグラウンドに向かった。先発した右サイドの鈴木義信がゲームを作ると、4回には打線が援護射撃。4番・楠原悠太からの4連打などで4点を奪いリードしたままゲームは終盤へ。4対1で迎えた8回からはエースの大型右腕・市川祐が2イニングをぴしゃりと締めて逃げ切りに成功。「(西東京の)菅生にリベンジするには、春に倒すしかなかった。悔しさをバネに頑張ってきた結果が勝利につながった」(石見陸)。秋の雪辱を果たした選手たちは、雄叫びを挙げて勝利を喜んだ。秋の悔しさを力に変えて進化したチームが、春の頂点に王手をかけた。

 

 

 

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