【三浦学苑  野球部】「直向-ひたむき-」 #三浦学苑

昨夏独自大会ベスト4
横須賀初の甲子園へ

 

昨夏独自大会でベスト4へ進出した三浦学苑。昨夏の主力が残るチームは、力を蓄えて、最後の夏へ挑む。横須賀初の甲子園への期待は膨らむ。

■昨夏準々決勝で大金星  

昨夏の快進撃の記憶は、1年が経過した今も色褪せない。コロナ禍で甲子園大会が中止になり、独自大会が開催された。大会直前まで練習制限がかかった中で、三浦学苑の選手たちが躍動した。5回戦で戦力充実の日大藤沢を下すと、準々決勝では横浜と対戦。序盤に失点を重ねて0対6とビハインドになったが、あきらめなかった。4回からは2年生だった上村海斗(現3年=投手)が登板しゲームを落ち着かせる。6回には一挙5点を奪い同点に追いつくと7回には決勝点奪い、7対6の勝利。横浜から金星を挙げたチームは、学校初のベスト4へ進出してみせた。樫平剛監督は「3年生たちが、大きな財産を残してくれた」と話す。2020年秋、チームには夏の主力だった本多草太、上村がそのまま残り、さらなる飛躍を夢見て、新たなスタートを切った。

■原点回帰で挑む2021シーズン  

しかし、チームは順調には進まなかった。エース上村に重圧がかかる中で、投打のバランスが整わない。昨秋は2回戦で慶応と対戦して、5対7で惜敗した。チームに力がないわけではないが、歯車が噛み合わない、もどかしさがあった。今年のチームのスローガンは「直向(ひたむき)〜想いを一つに〜」。前チームの先輩たちが大きな結果を残したが、それは過去。指揮官は「昨年のチームはベスト4に進出したが、このチームは結果を残していない。背伸びせずに、原点に立ち戻ろうという意味を込めました」と話す。選手たちは、昨夏の結果をリセットして、ひたむきに練習へ取り組んでいった。林祐希主将(3年=外野手)は「去年の先輩たちはコロナで練習ができない中でも自分たちを追い込んでいって結果につなげました。僕たちもここから這い上がっていかなければいけない」と球春を待った。

■夏に向けてチームは進化  

春大会は4回戦で東海大相模に敗れたが、チームは確固たる手応えをつかんだ。選手たちは冬トレでバットを振り込み、パワーアップに励んだ。春大会以降に、飛距離は大幅にアップ。エース兼主砲の上村は春以降15本以上のホームランを量産し、夏へ向けて順調な仕上りをみせる。またつなぎ役・真野湧弥(3年=内野手)も柵越えを連発するなど、チームとして破壊力が増す。主軸の上村は「昨年は先輩に引っ張ってもらったが、今年は自分たちがチームを支えていく。自分が投げて、打つことでチームの勝利に貢献したい」と話す。真野は「去年の横浜戦逆転勝利のようなあきらめない戦いをみせて、ベスト4を超えていきたい」と頂点を見据える。樫平監督は「夏に向けて、チームは進化を遂げている。できないことをやるのではなく、自分たちができることを表現して、昨夏以上の結果を残したい」と大舞台へ送り出す。三浦学苑の進撃が、また始まろうとしている。

(2021年8月号掲載)

 

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