【横浜】 「再建への覚悟」 #横浜

新生・横浜
新たな物語の始まり 一戦必勝、泥臭く、原点回帰

 

■24安打17点の猛打で頂点へ  

横浜が決勝・横浜創学館戦で24安打17点の猛打をみせて3年ぶり19回目の頂点をつかんだ。就任2年目の村田浩明監督は優勝インタビューで「一戦必勝でやってきた。やっと一歩を踏み出せたなと思っている。3年生に本当に感謝したい」と男泣きした。  涙の理由の一つは元エース金井慎之介の成長だった。世代屈指のポテンシャルを秘める投打の二刀流。しかし、昨秋、今春の県大会では大舞台のマウンドに立ちながらも、結果を残すことができずにチームは2大会連続でベスト4となった。

■エース復活を支えたチームメート  

指揮官は「ケガもあったし、打撃に専念させたかった」と、大会前に背番号を1から7に変更。3番打者として4割越えの打率を残した金井を、決勝戦の9回2死からマウンドへ送った。最後の打者をライトフライに打ち取ると、金井を囲んで歓喜の輪が出来上がった。女房役の4番・立花祥希も「金井が投打の中心になって引っ張ってくれた」とマウンドへ走った。チームを力強く牽引した安達大和主将は「金井が苦しむ姿を見てきたので、マウンドに上がった時はこみ上げてくるものがあった。チーム一丸でつかんだ勝利です」と喜びをかみ締めた。エースの復活をチーム全員が喜んだ。

■チームバッティングの勝利  

第1シードで臨んだ今大会は準決勝までの6試合中5戦がコールド勝ち。しかし、スターはいなかった。選手全員がチームバッティングを意識し、コツコツと得点を重ねた。昨秋は東海大相模、今春は桐光学園に準決勝でコールド負けし「変革」をテーマに打撃の意識を大きく変えた。「本塁打ではなく、センターから逆方向を意識し、つなぐ打撃を徹底した」と安達主将。プライドを捨てて、泥臭く、基本に立ち返った練習を続けた。その先に深紅の優勝旗があった。新生・横浜。3年ぶりの聖地では、レジェンド松坂大輔を擁した1998年夏以来の日本一を狙う。(取材・樫本ゆき)

 

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