【掛川西】「名門復活へ」 #掛川西

Best4
掛川西「名門復活へ」

「いい流れを下級生が受け継いでほしい」大石卓哉監督
「次のステージに向けて準備していきたい」沢山優介

榊原・沢山Wエースの集大成 シード校のプライド胸に戦い抜く

春は準優勝し、さらに東海大会優勝を果たした掛川西。Wエースを擁し、古豪復活が期待された今夏はベスト4で終えた。(取材・栗山司)(2021年9月号掲載)

チーム一丸で勝ち上がる

春夏通算9度の甲子園出場を誇る掛川西。2018年に就任したOBの大石卓哉監督のもと、「甲子園2勝」という目標を掲げ、1年間かけてチームを作り上げてきた。

中心は榊原遼太郎(3年)と沢山優介(3年)。ともに140キロ台のストレートを投げ込む。「Wエース」を擁し、春の東海大会では12年ぶりに優勝を飾った。

第2シードで迎えた夏。3回戦(対榛原)と4回戦(対清流館)は苦しむも、大応援団を背にチーム一丸となって粘り強く勝ち上がった。

迎えた準々決勝では古豪・島田商と対戦。4回に一挙4点を先制すると、榊原が6回を3安打無失点の好投。最後は沢山が締め、完封リレーを飾った。

「Wエース」の奮投

決勝進出をかけた準決勝の相手は東海大静岡翔洋。その初回、「相手の勢いに飲まれていた部分があった」と榊原は今大会初失点を喫すると、3回にも1点を失った。  大石監督は試合の流れを変えようと、2点ビハインドの5回から沢山を投入する。すると、沢山は初球に自己最速の145キロをマーク。快速球を武器に6回以降は一人の走者も許さなかった。しかし、相手のエース・鈴木豪太を最後まで打ち崩すことができず、0対2で敗退した。

2009年春以来となる甲子園出場は叶わなかったが、名門復活に向けての確かな一歩を刻んだ。大石監督は「3年生が作ってくれたいい流れを、下級生が受け継いでほしい」と意を新たに、挑戦を続ける決意を口にする。

次のステージへ

ライバルとしてお互いの実力を認め合った「Wエース」には次のステージが待っている。 「後輩たちには甲子園2勝を成し遂げてほしいです。また1からコツコツと取り組んでいきます」(榊原) 「チームとして勝てなかったのは悔しいですが、次のステージに向けて準備していきたいと思います」(沢山)

榊原は大学、沢山は社会人に進み、ともにプロを目指していく。静岡の夏を盛り上げた2人は、新たな夢に向かってリスタートを切る。

 

 

 

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