【市立太田】 「秋シード」 #市立太田

今秋の東毛リーグで好結果、シード権獲得
選手たちの力を最大限に伸ばす「土壌」

 太田市商時代に選抜甲子園出場実績がある伝統校・市立太田が、近年、地力を蓄えている。新チームは今秋の東毛リーグで好結果を残して秋季県大会のシード権を獲得。幸先良いスタートを切った。

■東毛リーグでライバル下して決勝へ  

市立太田は、冬を越えて強くなる傾向がある。春・夏に照準を合わせていく。近年では2018年春にベスト4、2019年春・夏にベスト8、2021年春にベスト8の結果を残している。中学時代に実績のない選手たちが多いが、冬のトレーニングでひと回り成長。春、夏に私学強豪と互角の戦いを展開していく。

例年、新チームの秋は試行錯誤が続くが、今季の東毛リーグでは選手たちが粘り強い戦いをみせた。桐生市商、太田東、桐生清桜と実力校揃いの予選ブロックを3戦3勝で通過すると、決勝ブロック準決勝で関学大附に4対2で競り勝って決勝進出。決勝戦はコロナ禍で開催されなかったが、決勝進出によって秋季県大会のシードを獲得した。秋シードは、津久井孝明監督が市立太田に着任した2015年以来、初めてという。

■意識改革でチーム基盤確立  

現在の市立太田を指揮するのは、津久井監督だ。チームは2016年1月から元富士重工(スバル)野球部指揮官の水久保国一氏が、太田市へ出向する形で監督を務めた。津久井監督は、当時部長として水久保氏を支えて二人三脚でチーム再建を図った。そして2018年8月から監督のバトンを渡されている。津久井監督は、全国強豪校の最先端トレーニングなどを学び、市立太田で実践。高いレベルの野球を目指すことで、選手たちの意識が変わり、それがチーム強化につながっていった。今井大輔(中央大)ら大学で活躍するプレーヤーが増え、チームの基盤が出来上がりつつある。大学生たちはシーズンオフなどに母校のグラウンドにやってきて、後輩たちを指導。良い循環が生まれているという。また、安田裕亮部長、相澤寿聡コーチ(元広島)など指導体制も充実している。

■自分自身に勝つことが大切  

今年の新チームは、前チームのレギュラーが少なく、総入れ替えとなったが、2泊3日の北陸遠征などをきっかけにして、たくましくなっていった。

チームの中心は、リーダーシップとインサイドワークを備える齊藤琢真主将(2年=捕手)。130キロ中盤のストレートを投げ込むエース津久井陣太(2年)、変化球のキレで勝負する小西悠庵(2年)、伸び代十分な小鮒マテウス(1年)ら投手陣がゲームを作り、守備からリズムを作っていく。打線は、黒川遥暉(2年=内野手)、永島銀太(2年=外野手)のパワーヒッターが勝負強い打撃をみせる。チームの課題は、前橋育英、健大高崎などを夏大会で倒すこと。これまで何度もその壁に跳ね返されてきた。齊藤主将は「相手よりも自分自身に勝つことが大切。強い覚悟で野球に向き合いたい」と成長を誓う。チームに芽吹く「覚悟」がチームを飛躍させていく。

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