【七里ガ浜  野球部】「渚の野球部」 #七里ガ浜

オーシャンビューの人気公立校
「求む!部員」野球部の新たなチャレンジ

オーシャンビューの人気公立校・七里ガ浜。2020年秋に新監督を迎えた野球部の新たなチャレンジが始まっている。

■ドラマのような環境

校舎から七里ヶ浜の壮大な景色を一望することができるドラマのようなシチュエーション。海岸まで徒歩30秒、東には三浦半島を望み、西には江の島越しに富士山が雄大な姿をのぞかせる。そんな魅力的な環境が人気の公立校で、渚の野球部は奮闘している。

2013年夏には4回戦へ進出するなど“波”に乗れば強さを発揮していたが、現在は部員減少に直面している。昨年の夏大会を終えたチームは3年生8人が引退し、2年生5人、1年生3人の計8人となった。人数が減ろうとも部員たちの気持ちにブレはない。これまでと変わらず、勝利のために高台のグラウンドで本気でバットを振り、ノックを受ける。秋季地区予選は他部活から助っ人を呼んで出場した。強豪私学に立ち向かうも、惜しくも予選敗退。しかし、選手たちは全力を尽くした。チームは春の新入生を迎え入れて再起を期す。

■指揮官は、厚木北元部長

眞鍋武史監督は、2020年秋から七里ガ浜の指揮を執っている。指揮官は東海大在学中から、母校・伊志田高で学生コーチを経験し、教員の道へ。前任地は、厚木北。神奈川屈指の情熱指揮官だった加賀谷実監督(現・北海道紋別高監督)のもとで部長を務めていた。眞鍋監督は「加賀谷先生の情熱的な指導から多くを学ばせてもらいました。あの熱量と野球の奥深さを七里ガ浜の選手たちにも伝えていきたい。本気でやることの意味を伝えたいと思います。野球部が勝ち上がれば学校全体が盛り上がるはず」とグラウンドに立つ。

現在の部員こそ少ないが、11月の鎌倉地区の公立4校対抗戦では3連勝で優勝し、大会3連覇を成し遂げるなどチーム力を保持。少数精鋭のチームは、今春の新入生を迎える準備を進めている。

■個性あふれる選手たち

浜風漂うグラウンドでは個性あふれる選手たちが進化を遂げている。チームの生命線は、村井陸主将(2年=内野手)と濱野能成(2年=内野手)の二遊間。彼らが攻守の要となり、チームを牽引する。4番候補は、中学時代まで野球部所属ながらも高校入学時に弓道部に仮入部していた山田球道(2年=内野手)。夏大会前に野球部入部を直訴し、1年間必死に努力してきた。山田は「金属バット音とスパイクの音を聞いて、高校野球がやりたくなりました」と照れる。

投手陣は、2年生エース林蒼太のほか1年生の谷口祐貴が球速を伸ばす。そして、仲間たちを鼓舞するのはムードメーカー・坪井陸斗(2年=外野手)の役目だ。選手たちが決めたチームテーマは「攻める野球」。村井主将は「人数が少なくてもしっかりと戦えるところをみせたい。攻守に積極的なプレーをみせて勝ち上がりたい」と春・夏に向かう。渚の野球部は、波打ち際から逆襲を仕掛けていく。

Pocket

おすすめの記事