【桐生第一  野球部】「甲子園で勝てるチーム」 #桐生第一

人間的成長なくして技術的進歩なし
1999年夏全国制覇の名門

桐生第一は昨秋の秋季県大会で優勝し関東大会へ進出した。選抜出場当確まで“あと1勝”となったが準々決勝で惜敗した。チームは“あと1勝”の意味を受け止めながら「人間的成長の先にある進歩」を追求していく。

■先輩たちの思いを背負って

2022年夏の甲子園を狙う今年の桐生第一は、勝たなければいけない理由がある。今泉壮介監督は2018年秋に母校の指揮を託された。2020年春に入学したこの世代は指揮官を慕って桐生第一の門を叩いた選手たち。チームは2019年秋の関東大会ベスト4進出により選抜切符を獲得。しかし、選抜がコロナ禍で中止となった。その4月に入学してきた選手たちは、一つ上の学年(今春卒業3年生)が少なかったこともあり、1年生秋から左腕・寺門京佑(2年)、三塚琉生(2年=外野手)ら多くの選手がチャンスを与えられた。そして昨夏も7人がレギュラーとして出場し、甲子園を狙ったが3回戦で前橋育英に屈した。新チームは、夏レギュラーが中心となり、県トーナメントを駆け上がり秋の頂点に立った。今泉監督は「秋優勝は、前3年生たちのもの。昨夏にサポート役に回ってくれた3年生のためにも勝たなければいけない」と思いを込める。

■“あと1勝”の明暗

選抜出場をかけて関東大会へ進出したチームは1回戦で土浦日大(茨城)に3対2で勝利した。初戦では飯野剛史(2年)、石原煌大(1年)、市川一樹(2年)、寺門の4投手の継投で逃げ切りに成功。選抜当確をかけて準々決勝・浦和学院戦へ臨んだ。左腕・寺門が5回1失点の投球でゲームを作るなど食らいついていったが、相手投手を打ち崩すことができずに最終的には0対5で敗れた。安打数は桐生第一の6に対して、浦和学院は8。勝負所で得点を奪えなかったことが響いてしまった。この結果によって選抜の道は事実上厳しくなった。

甲子園まで“あと1勝”。指揮官は「結果をみればあと1勝かもしれないが、その1勝までの距離は遠い気がした。関東大会の悔しさを今年の夏へつなげていかなければいけない」と話す。「最強世代」に残されたチャンスはあと1回だ。

■2度目の全国制覇へ

桐生第一のチーム指針は「人間的成長なくして技術的進歩なし」。あいさつ、礼儀、学校生活など高校生としての生活基盤の上に、技術が積み重なっていくと教える。そして、どんなときも部員全員で戦っていく。選手たちは、グラウンドで人としてプレーヤーとしての鍛錬を積み、進化を遂げていく。三塚主将は「先輩たちのため、サポートメンバーのために勝たなければいけない」と冬の厳しい練習に向かう。今季は、三塚主将をゲームキャプテンとして、古賀弘之佑に選手会長の役割を託している。古賀選手会長は「チームが勝つための役割を果たしたい」とサポートに回る。

昨年、グラウンドにはOBからの寄贈で一枚の横断幕が掲げられた。「甲子園で勝てるチームへ〜人間的成長なくして技術的進歩なし」。桐生第一は、甲子園で勝つにふさわしいチームになるため、心技体を鍛える。人間的成長の先に甲子園出場、そして2度目の全国制覇が見えてくる。

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