【足立新田 野球部】「己に克つ」 #足立新田

最後の夏へ「継続」あるのみ
悔しさを糧に毎日の真剣勝負

 都立名将・有馬信夫監督率いる足立新田。秋、春に結果を残せなかったチームだがポテンシャルは十分。最後の夏に向けてラストスパートに入っていく。

■やれることを一つひとつ  

名将・有馬監督は城東指揮官時代の1999年に甲子園出場の快挙を成し遂げた実績を持つ。都立の野球を知り尽くす百戦錬磨の指揮官だが、コロナ禍にプランニングを狂わされてしまっている面は否めない。都立の選手たちは、磨いて光る原石が多い。そのため磨く時間が限られてしまえば、おのずと成長は一旦止まってしまう。しかし選手たちは制限下でも地力をつけて、発芽の機会をうかがっている。有馬監督は「これまでやってきたことができないのだから、(チーム強化は)当然、難しくなっている。その中で、やれることを一つひとつやっていくしかない」と前を向く。言い訳はしない。与えられた条件で戦うのも野球の醍醐味だ。

■守備でリズムを作って攻撃へ  

今季のチームは、悔しさを味わってきた。昨秋は一次予選で東亜学園に敗れて、都大会出場を果たすことができなかった。東亜学園戦で自身のピッチングが出来なかったエース大脇颯太(3年)は「東亜学園戦は思い出すのも嫌なくらいの悔しさを味わった」と話す。9月13日に秋予選を終えたチームは、長いオフシーズンを過ごすことになった。今年のチームは際立った選手はいないが、各ポジションにキーマンが揃い、堅実な戦いができるメンバーが揃っている。オフは、各自がパワーアップに取り組む一方で、試合の土台となる守備を鍛え上げた。守備でリズムを作って攻撃につなげるスタイルを追求してきた。

■心とプレーを磨き直して  

今春は、予選で山崎、拝島に勝利して都大会へ。1回戦で日体大荏原と対戦した。初回の立ち上がりにリズムがつかめずに3失点したが、そこからチームは立ち直っていく。3回に1点を返して1対3でゲームを進めたが、相手投手を捕えることができずに最終的には1対4で屈した。日体大荏原は今大会のダークホースとなっただけに、足立新田としては悲観すべき内容ではなかった。だが、選手に残された大会は、夏の一つ。  

有馬監督は「勝つチームではなく、負けないチームを作っていく必要がある。残り3カ月、まずは続けること。継続していった先に成長がある。夏に向けて、もう一度立て直していく」と巻き返しを誓う。大曲駕玖主将(3年=内野手)は「自分たちの力を出し切って、勝ち上がっていく。心とプレーを磨き直して、最後の夏へ向かっていく」と力を込める。1日1日の練習が真剣勝負。日々、己に勝ち抜いた先に夏の勝利がある。

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