【横浜創学館 野球部】「挑戦」  #横浜創学館

昨夏の神奈川大会準優勝
今春に人工芝球場へリニューアル

 昨夏の神奈川大会でセンセーショナルな戦いをみせて準優勝となった横浜創学館。今年は、あと1勝の壁を乗り越えて悲願の初甲子園を目指す。

■昨夏は13年ぶりの決勝進出  

昨夏の戦いが今も脳裏に浮かぶ。最速149キロのエース山岸翠(関東学院大1年)と破壊力ある打線を軸にしたチームは灼熱のトーナメントを駆け上がった。5回戦で相模原弥栄、準々決勝で日大藤沢、そして準決勝で慶應義塾に勝利し、13年ぶり2度目の決勝戦へ駒を進めた。決勝戦では横浜に屈したが、準優勝という輝かしい戦果を残した。神奈川の夏を大いに盛り上げたチームだが2021年度はグラウンドの人工芝改修工事によって練習場所がない状況。前チームは夏大会前に各球場を転々としながらチーム力を上げた。昨秋から始動した新チームも冬の間、学校空きスペースでのトレーニング、砂浜ランニングなどで足腰を鍛え上げて春を待った。そして今年3月に人工芝の改修工事が終わった。

■人工芝グラウンドでの「初陣」  

横浜創学館の野球場は学校から約5キロの場所にある。選手たちは、授業を終えるとユニホームに着替えて、グラウンドまでランニングで向かう。昨年度までは土のグラウンドだったが、今春からは全面人工芝、そしてレフト後方には屋根付きのブルペンも完成。県内屈指の練習環境となっている。眞田知明主将(3年=内野手)は「冬の間は、海の公園で浜辺を走ったりして、みんなで努力してきた。人工芝のグラウンドになったことの恩返しとして結果を残さなければいけないと思っている」と夏へ向かう。森田誠一監督は「昨年の選手たちはグラウンドがない中でも準優勝を掴んだ。環境が良くなったからと言って、自然に強くなるわけではない。新しいグラウンドでどう努力するかが大事になる」と語る。横浜創学館にとって今年の夏は、人工芝グラウンドで迎える「最初の夏」になる。

■投打の個性あふれる選手たち  

今年のチームは昨秋、今春ともに4回戦で桐蔭学園に敗れてベスト16だった。秋大会は1対11の完敗だったが、春大会は6回まで5対2でリードする展開。終盤に逆転されたが、チーム力の進化を試合内容で示した。チームの軸は、伸びしろ十分のプロ注目右腕・遠藤稔平(3年)。しなやかな腕の振りが魅力の大器だが、昨秋に右膝を手術し春は試運転。最後の夏にすべてをかけてマウンドに上がる。遠藤不在の間に成長したのは、冬からピッチャーを志願した佐藤陽大(3年)。佐藤がゲームを作ることでチームの戦術の幅が広がった。打線は、2年生の大型遊撃手・小室壮真、髙野大和(3年=内野手)、堀本一孝(3年=外野手)らが強烈な打球を飛ばす。代打には、183センチ86キロの中間敬太(3年)、190センチ99キロの渡部壮次郎(3年)の大型打者が控える。個性あふれる選手が揃うチームの投打のパワーは昨夏以上だ。チームスローガンは「挑戦」。眞田主将は「昨年の3年生たちが準優勝だったので自分たちはそれを越えていく。部員全員で甲子園へ向かって挑戦していく」と力を込める。横浜創学館は今夏、神奈川のトーナメントに勝利への挑戦状を突きつける。

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