決勝で健大高崎を下して群馬制覇
健大7年ぶりの甲子園出場ならず

 樹徳が群馬大会決勝で健大高崎に6対4で勝利し30年ぶり3度目の甲子園出場を決めた。健大高崎は7年ぶりの甲子園を狙ったが一歩及ばなかった。(撮影・森田威志)

■樹徳 初回に先制攻撃で5点奪取  

一気呵成。準々決勝で前橋育英、準決勝で桐生第一に競り勝ち決勝へ進出した樹徳は、決勝でも勢いもろとも戦闘態勢に入った。初回に舘野優真のタイムリーで1点を先制すると、1死満塁から森颯良が走者一層の三塁打。相手の送球ミスに乗じて自らも生還して一挙5点を奪った。1回を終えて5対0。樹徳の迫力に、球場全体がどよめく。樹徳は3回裏にスクイズで1点を追加。ゲームの主導権を奪った。  

健大高崎は3回に主砲・清水叶人の適時打で1点を返すと、4回には小玉湧斗のタイムリーで1点、5回には山田琉衣、関根啓衣太の適時打で2点を奪い、4対6と2点差に詰め寄った。

■「撃ち合い」から「投げ合い」へ  

5回までは撃ち合いになったが、6回以降は樹徳のエース亀井颯玖、健大高崎の2年生右腕・小玉の投げ合いとなった。両投手が気迫のピッチングをみせた白熱のゲームは2点差のまま9回へ。健大高崎は9回、先頭の佐々木琉生主将が左前安打で出塁。続く主砲・清水がライト後方へ大飛球を放つ。フェンス直撃かと思われた打球を、樹徳ライト髙木翼が大きくジャンプして好捕。飛び出していた一塁走者を刺して、健大高崎のチャンスの芽を刈り取った。好守に助けられたエース亀井は、最後の打者を打ち取ると両手を突き上げた。  

樹徳は、2回戦で前橋商、3回戦で高崎商大附、準々決勝で前橋育英、準決勝で桐生第一、決勝で健大高崎と、今大会の優勝候補を次々と撃破して優勝旗をつかんだ。投打の迫力。その強さは本物だった。井達誠監督は「応援してくれた方々の力によって優勝できた」と涙で言葉を詰まらせた。樹徳の優勝によって、戦国群馬の勢力図は変わっていくことだろう。

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