創部初のベスト4は進化の過程
SNSの「いいね!」効果でレベルアップ

 

 立花学園が準々決勝で藤沢清流を下して創部初のベスト4進出を果たした。SNSなど新たなツールを駆使したチームマネジメントを遂行するチームには大きな可能性が秘められている。

■原石を磨く独自の指導法  

立花学園が今夏、新たな歴史を創り出した。近年、最先端の機材を駆使したトレーニングやツイッターなどのSNSを利用した情報発信によって話題を集めるチームだが、それらによって選手たちの意欲が高まり、自主性が芽生えている。全国から寄せられる「いいね!」の数が、選手たちのやる気を刺激し、さらなる成長を促した。  

着々と力を伸ばすチームは2020年夏の独自大会でベスト8、2021年夏大会はベスト16、2022年春大会ベスト8という戦績を残してきた。入学当初は、実績のない選手たちがトレーニングを積むことで個性を磨き、それがチームの結果につながってきた。立花学園で著しい成長を遂げた昨夏のエース永島田輝斗は、最速150キロのストレートが評価されてロッテから育成3位でドラフト指名を受けた。原石を磨く独自の指導法には、全国から熱い視線が送られている。

■大会中も進化を遂げた選手たち  

今年のチームは前年度と比較して力のある世代ではなかったが、先輩たちの姿を追いかけることで一歩ずつ成長を遂げた。昨秋大会では2回戦で敗れたが、春大会ではベスト8へ進出。そして夏大会でさらなる飛躍を遂げた。吉田康生主将、エース福岡大海、リードオフマン中村大翔らを軸にしたチームは、接戦を勝ち抜き大会中も進化を遂げた。  

2回戦の橘戦は4対3、3回戦の上溝南戦は降雨再試合(8回8対8)の末に勝利。4回戦・星槎国際湘南、5回戦・城山戦はいずれも3対2。準々決勝・藤沢清流戦は、延長11回で3対2のサヨナラ勝利でベスト4進出を決めた。準決勝では横浜に屈したものの、未来への扉をこじ開けたことは大きな収穫。志賀正啓監督は「神奈川の頂点を狙い続けてきて、まだ足りない点があることを教えてもらった。コロナの時期に入学した3年生たちが努力を続けて良いチームに仕上げてくれた。メンバー外の選手を含めて『ありがとう』と伝えたい」と話した。準決勝のレギュラー9人中4人は2年生という若いチーム。大舞台を経験した選手たちが、次なる壁を越えていく。

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