【高崎】  「主体」

2度の選抜甲子園出場を誇る伝統校
選手が考える「練習メニュー」

 

選抜甲子園に2度出場している伝統校・高崎。髙島喜美夫監督就任2年目、高崎は新たな仕組みでチーム強化、そして夏甲子園出場を目指す。

■県下トップの進学実績を誇る伝統校  

県下トップの進学実績を誇る伝統校・高崎。文武両道を貫く野球部は1981年、2012年に選抜出場を果たすなど群馬県高校野球界にセンセーションを起こしてきた。私学すう勢の時代だが、志高い選手が受験を突破し高崎の門を叩いている。チームは2016年秋、2017年春にベスト4、2022年春にもベスト8進出を果たした。行く手を阻んでいるのは、健大高崎、桐生第一、前橋育英など私学強豪と呼ばれるチーム。壁は高ければ高いほど、自分たちが成長できる。選手たちは、壁を越えるべく自分たちで考えながら日々の練習に励んでいる。

■文武に主体的に取り組む気質  

高崎を指揮するのは、太田、桐生を率いた経験を持つ髙島監督だ。進学校の野球に精通する指揮官は、昨年末、冬のトレーニングに向かう選手たちに一つの提案をした。それまでは髙島監督が練習メニューを準備してきたが、選手たちに練習メニューから考えてもらうようにした。当初は戸惑いもあった選手たちだが、石田英大主将(3年=内野手)、茂原僚副将(3年=内野手)、投手リーダー堀越雅貴(3年=投手)らが中心となって考案、新たな取り組みが浸透してきた。当初は冬トレ時期だけのアイデアだったというが、選手たちの意欲的な姿勢をみて、春以降も選手たちが練習メニューを担当。昼休みに髙島監督に伝えて、練習に励んでいる。2年目を迎える髙島監督は「高崎の生徒たちは、勉強も運動も主体的に取り組む気質があります。自分たちで考えることが彼らにとって一番の成長につながると考えました」と話す。茂原副将は「自分たちで練習を考えてみて、チームの課題をより知ることができました。自分たちでメニューを考えているので言い訳ができない。責任感を持って取り組んでいます」と野球に向き合っている。

■目標は夏の甲子園出場  

2023年の夏へ向かうチームは4番・石田主将を中心に、エース堀越、大野宇海(3年=捕手)のバッテリーでゲームを組み立て、打線のつながりで勝負していく。昨秋は1回戦で伊勢崎商、2回戦で前橋東に勝利したものの、3回戦で前橋育英に敗れている。選手たちは秋の反省、そして春の西毛リーグの課題を練習メニューに反映して、チーム強化に取り組んでいる。石田主将は「試合を重ねるにつれて、自分たちの課題が明確になり、具体的にどうすればいいかを考えるようになりました。夏に甲子園へ行くためのメニューを作っていきたいと思います」と夏を見据える。選手たちが課題と抜き合い、試行錯誤しながら練習メニューを考えて、本気になって勝利を目指す。高崎の取り組みは、次世代の高校野球の“道しるべ”になるかもしれない。

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