東京版の記事一覧

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【狛江 野球部】「今日もうまくなろう」 #狛江

狛江 「今日もうまくなろう」 今夏の西東京大会でベスト8へ進出した都立ダークホース狛江。エースと主軸が残るチームは、野心を胸に秘めて次なるステージへ向かう。 ■西東京に新たな風 野球を心から楽しんでいるチームだ。今夏の西東京大会で、選手たちは野球への気持ちをグラウンドで存分に表現してみせた。初戦となった2回戦の相手は、都立実力チーム・八王子北。7回を終えて4対7とリードされる展開だったが、終盤に同点に追いつくと延長サヨナラ勝ち。4回戦では東大和に勝利し、5回戦のシード八王子戦へ。下馬評は八王子優位だったが、2年生エース山﨑優が低めの変化球を生かした投球で最少失点に抑え3対2で逃げ切り、ジャイアントキリングを起こしてみせた。野球を楽しむ狛江と、重圧を感じる八王子。その差が結果につながった。準々決勝では世田谷学園との死闘で2対3のスコアで屈したが堂々のベスト8進出。2021年の西東京に新たな風を吹かせてみせた。 ■選手に寄り添う指導スタイル チームを率いるのは、日大鶴ヶ丘出身の西村昌弘監督。大学卒業後、一度は小学校教員となったが、高校野球指導への思いから方向転換。佼成学園非常勤講師として野球部をサポート、都立豊島では軟式野球部を指導し関東大会ベスト8へ導く。2017年に狛江に着任し、選手に寄り添うスタイルでチーム強化。2019年夏には4回戦へ進出するなど力を伸ばした。選手に伝えているのは「今日もうまくなろう」という言葉。技術、戦術を教えながらも選手たちの自主的な成長を促していく。西村監督は「うまくなりたいという気持ちを大切にしている。うまくなれば野球がもっと楽しくなるし、選手が工夫して練習するようになっていく」と話す。「うまくなろう」。狛江の原点は、ここにある。 ■粘り強く、泥臭く戦う 新チームは絶対エース山﨑、攻守の主軸・小林佑樹(2年=内野手)がそのまま残り、盤石かと思われた。しかし、始動後の練習試合では私学ライバルに大敗するなど順調ではなかった。小林は「個人の力はあるかもしれないがチームになっていなかった。前のチームが夏ベスト8になれたのは、一体感があったから。新チームは練習試合の大敗によって変わっていったと思う」と話す。エース山﨑は「新チームではそれぞれが人任せになってしまって、一つになれなかった。自分たちが引っ張っていかなければいけない」と役割を自覚する。チームは、ムードメーカー大久保衡良主将(2年=外野手)を軸に、まとまりつつある。大久保主将は「夏のベスト8が奢りになってはいけない。粘り強く、泥臭く戦う狛江の野球を見せていきたい」と足元を見つめる。選手の能力は、今夏以上。その力を発揮できるか。選手それぞれが野球を楽しみ、うまくなった先に、「都立の新星」の称号が待っている。  

【世田谷学園 野球部】「その先へ」  #世田谷学園

世田谷学園 「その先へ」 今夏四強進出、東京ドームでプレー スケールアップで目指す甲子園  世田谷学園は今夏、ノーシードからベスト4へ進出し東京ドームでプレーした。2年生たちは先輩たちのレールを引き継ぎながら、さらなる飛躍を目指す。 ■今夏躍進の秘密とは? 世田谷学園は今夏の西東京大会で快進撃をみせてベスト4進出を成し遂げた。近年はベスト8から先へ進めなかったが、「初戦敗退でもおかしくなかったチーム」(成瀬智監督)が新たな道を切り開いた。コロナ禍で練習時間が足りない中でチームが選んだ戦略は、できないことを選ぶのではなく、できることだけを遂行すること。世田谷学園は、数種類のダブルスチール、エンドランなど多彩なサインプレーが特長のチームだが、複雑なプレーはすべて封印。エース建守伯(3年)を中心にしたディフェンシブな戦いで一戦一戦を勝ち上がっていった。4回戦で日野、5回戦で昭和一学園、準々決勝で狛江にいずれも1点差で勝利。準決勝は東海大菅生に敗れたが、堂々たる戦いをみせた。成瀬監督は「練習不足の中で選手たちは1試合ごとに成長してくれた。東京ドームでのプレーは、チームにとって貴重な経験となった」と激闘を振り返る。   ■新チームの目標は 新チームは、西東京大会準決勝敗退翌日に始動。自発的にミーティングを実施した選手たちは、3年生の戦いを振り返り、「東京優勝」という新たな目標を立ててスタートを切った。2022年夏へ向かうチームには大きな可能性が秘められている。チームには東京ドームの準決勝・東海大菅生戦でプレーした3人の2年生内野手が残っている。守備の要となるのはセカンドの鈴木快征(2年)、三遊間コンビの佐藤駿(2年)と杉江悠平(2年)。夏の大舞台を経験した3人の守備力は、チームの揺るぎない土台になっている。ショートストッパー杉江が「夏は3年生に支えてもらってプレーできた。今度は自分たちがチームを引っ張っていく」と自覚を見せれば、鈴木は「走攻守で高いレベルを追求して、先輩たち以上の結果を残したい」と練習に励む。

第103回 全国高等学校野球選手権 西東京大会 #東海大菅生

東海大菅生 4年ぶり4回目優勝 東海大菅生●本塁打攻勢で春夏連続甲子園! 国学院久我山●序盤に善戦も無念 選抜ベスト8の東海大菅生が貫禄の戦いで決勝戦を制した。4年ぶり4度目の夏甲子園出場を決めた。 千田の特大3ランで勝利つかむ 西の横綱・東海大菅生が王者の野球を貫き、春夏連続での甲子園出場を決めた。 序盤から点の取り合いとなった一戦。東海大菅生は先手を奪われたが3番・堀町沖永が1回にタイムリー、3回には左中間を破るランニング本塁打で同点に追い付く。4回裏1死1、3塁から千田光一郎が東京ドームの左翼スタンド上段への特大3ラン。本塁打攻勢で6対3と突き放すと、計13安打で8得点を奪った。 投げては先発のエース本田峻也がゲームを作ると、7回からは今大会好調の櫻井海理へ継投、そして9回は二刀流ストッパー千田がマウンドに上がって自己最速の141キロを投じてパーフェクトリリーフ。貫禄の試合運びで春夏連続甲子園出場を決めた。「甲子園に忘れ物を取りに行く」がチームの合言葉。今春の選抜で8強入りも、準々決勝敗退。その悔しさを原動力に力を蓄え、全6試合で42得点6失点。群雄割拠の西東京を力で制した姿は、まさに王者と呼ぶに相応しかった。(三和直樹)  

第103回 全国高等学校野球選手権 東東京大会 #二松学舎大附

二松学舎大附 3年ぶり4回目優勝 二松学舎大附●エース・秋山が137球の力投! 関東一●試合終盤に力尽きる 二松学舎大附が東東京大会決勝で関東一を5対1で下して優勝旗をつかんだ。指揮官は、東京ドームで宙を舞った。 選手たちが東京ドームで躍動 二松学舎大附が、エースの力投と勝負所での集中打で、3年ぶり4度目の頂点に立った。  東東京の覇権を争う両校の決勝は、白熱の投手戦となった。二松学舎大附の快速左腕・秋山正雲と、関東一の剛球右腕・市川祐の投げ合い。2回表に秋山が自らのバットで先制点を奪う。その後は得点が動かずに6回を終えて1対0のロースコア。だが、二松学舎大附が7回表に集中打。9番・櫻井虎太郎、1番・永見恵多の2者連続のタイムリー二塁打などで3点を追加すると、8回表には5点目を奪った。マウンド上には秋山が君臨した。立ち上がりから140キロ台のキレのあるストレートを軸に、6回まで無安打ピッチング。8回裏に市川に意地のタイムリー二塁打で1点を返されたが、最後まで気迫あふれるピッチングをみせて9回3安打1失点。計137球の力投で勝利の雄叫びを上げた。 今夏の6試合で36得点4失点。「想像以上のチームになってくれた」(市原勝人監督)。試合を重ねるごとに逞しくなったチームは、東京ドームで栄冠を手にした。(三和直樹)  

第103回 全国高校野球選手権 西東京大会 準決勝 世田谷学園VS東海大菅生

第103回 全国高校野球選手権  西東京大会 準決勝 世田谷学園VS東海大菅生 世田谷学園●チーム一丸、殊勲のベスト4 東海大菅生●盤石の戦いでコールド勝利   東海大菅生が8対0で世田谷学園を下して決勝進出を決めた。世田谷学園の進撃は準決勝で止まった。 世田谷学園の進撃止まる

第103回 全国高校野球選手権 西東京大会 準決勝 国学院久我山VS日大三

第103回 全国高校野球選手権  西東京大会 準決勝 国学院久我山VS日大三 国学院久我山●投打に粘り強い戦いで決勝進出! 日大三●第1シード、無念の敗戦 史上初めての東京ドーム開催の第一試合となった西東京大会準決勝。国学院久我山が攻守に粘り強い戦いを見せて4対3で日大三を退けた。 国学院久我山、エース髙橋が好投 1点を争う好ゲームだった。2回表、日大三が鎌田慎也のソロ本塁打で先制。国学院久我山打線がすぐさま反撃。確実なチャンスメークで圧力をかけると、2回裏に下川邊隼人の中越二塁打と藤原健祐の中前安打の2本のタイムリーで逆転。3回表に日大三の星憂芽のソロアーチで同点に追い付かれるも、4回裏2死2塁から内山凜が右中間を破るタイムリー3塁打で勝ち越しに成功。そして6回裏、田村優樹の内野ゴロの間に4点目を奪った。

第103回 全国高校野球選手権 東東京大会 準決勝 二松学舎大附VS帝京

第103回 全国高校野球選手権  東東京大会 準決勝 二松学舎大附VS帝京 二松学舎大附●継投策奏功、逆転勝利で決勝へ 帝京●無念、10年ぶり甲子園ならず 二松学舎大附が決勝進出を懸けた戦いで帝京に逆転勝利した。帝京は、先制しながらも無念の敗戦、10年ぶり甲子園出場はならなかった。 布施から秋山へ継投 先制したのは帝京だった。二松学舎大附の先発・布施東海の立ち上がりを攻め、尾瀬雄大の右前タイムリーで1点を奪った。ゲームのポイントは、4回2死の二松学舎大附の投手交代。布施が2つの四死球を与えると、市原勝人監督は迷わずエース秋山正雲をマウンドへ。秋山はそのピンチを切り抜けると、続く5回の打席でチャンスを広げるタイムリーを放って、チームを勢いづけた。二松学舎大附はその回に、瀬谷大夢の2点二塁打などで4点を奪い、逆転に成功。ゲームの主導権をがっちりと手繰り寄せた。

第103回 全国高校野球選手権 東東京大会 準決勝 関東一VS修徳

第103回 全国高校野球選手権  東東京大会 準決勝 関東一VS修徳 関東一●エース市川、12奪三振完投勝利 修徳●エース床枝の夏が終わる 東東京大会準決勝で関東一が修徳を4対1で下して決勝進出を決めた。修徳は、ノーシードから勝ち上がったが力尽きた。 エース対決、関東一が制す 東東京の伝統校同士の対決は、関東一エース市川祐と、修徳エース床枝魁斗の投げ合いとなった。140キロ後半のストレートを投げ込む注目の両エースの対戦。関東一は3回、石見陸の中前適時打で先制すると、5番に座った津原璃羽が東京ドームのレフトスタンドへ3ランを運び、一挙4点を奪う。守備では、エース市川が自己最速152キロをマークする圧巻のピッチングで、修徳打線を被安打3奪三振12で1失点完投勝利。「キレを意識した結果が球速につながった」(市川)。関東一が、エース対決を制して決勝進出を決めた。

【啓明学園】『主将のチーム分析  野木裕太 主将(3年=捕手)』 #コラム 主将のチーム分析 #啓明学園

野木裕太 主将(3年=捕手)のチーム分析 プラス思考で前向きにプレー  「常に明るいのが、このチームの特長です。練習メニューは自分たちで考えて、試合ではベンチ全員から大きな声が出る。常にプラス思考で、前向きな気持ちでプレーできるような声掛けを意識して、チーム一丸となって戦います」 (2021年8月号掲載)

日大三・小倉全由監督「決勝開催に感謝しかない」 #日大三

日大三・小倉全由監督 決勝開催に感謝しかない 「こういう状況の中でも決勝戦を開催してもらったことにまずは感謝したいと思います。コロナに関しては十分に注意してきたつもりでしたが、対応できない難しさを感じました。練習を2週間休めば大丈夫というわけではないので安心はまったくできません。練習再開からは『みんなで出来ることをやっていこうな』と話しています。生徒たちの安全を第一に夏に向けてベストを尽くしていきたいと思います」 【監督プロフィール】1957年4月10日、千葉県生まれ。日大三高-日大。大学卒業後の81年に関東一高監督に就任し、87年春に甲子園準優勝。97年より母校・日大三高の監督に就任、01年夏、11年夏に全国制覇を果たす。社会科教諭。

啓明学園・芦沢真矢監督 「努力を発揮してほしい」 #啓明学園

啓明学園・芦沢真矢監督 努力を発揮してほしい 「小さい頃から結果ばかりを求められると打席の中でバットが出てこない。最後の夏は『バットを思い切り振れば良かったな』とならないようにしてもらいたい。悔いが残るのは“結果”ではなく“気持ち”の部分。大事なのは、これまでの努力を発揮できるかどうか。自分自身が心の部分でブレーキをかけることがないように、自分たちの持っている力を出し切って欲しい」 (2021年8月号掲載)   【監督プロフィール】1958年生まれ。山梨県出身。巨摩高で甲子園へ出場し1976年にヤクルト入り。現役引退後は広島や横浜のコーチ、独立リーグ球団の監督などを歴任。2014年に学生野球資格を取得し、2015年2月に啓明学園監督に就任。座右の銘は『一瞬懸命』。

【郁文館 野球部】 「3C」 #郁文館

元プロ指揮官率いる新勢力 チェンジ、チャレンジ、チョイスで初の甲子園へ  伝統校・郁文館が、元プロ田中幸雄監督(元日本ハム)のもと力を高めている。2019年夏の東東京でベスト16に進出したチームは、夢の続きを追っていく。 ■2019年東東京ベスト16   着々と力を蓄えている印象だ。日本ハムで大型投手として活躍した元プロ田中監督が2017年にコーチ就任、翌2018年7月から指揮を執っている。2019年4月には、練習場のある荒川河川敷からほど近い埼玉県戸田市に選手寮が完成。現在は部員46人中35人が選手寮で生活をしながら勉強と部活に励む。選手寮地下にはバッティングケージを備えたトレーニングジムがあり、選手たちは日夜スキルアップに取り組む。強化を進めるチームは2019年夏に3勝を挙げて5回戦へ進出。日大豊山に惜敗したもののベスト16の結果を残した。コロナ禍の2020年夏の独自大会では2回戦で明大中野を下した。昨秋は2回戦で早稲田実、今春は1回戦で駒大に敗れたが、エース甲斐一馬主将(3年)、台湾からの留学生プレーヤーの主砲・郭家樺(3年=外野手)を軸にしたチームの潜在能力は極めて高い。 ■環境、指導体制充実のチーム   チームを率いる田中監督は、190センチの大型投手として日本ハムで8年間プレー。引退後は、日本ハム、横浜でコーチ、スカウトなどを務めたほか、菊川南陵(静岡)で監督として高校生を指導。プロ、アマでの豊富な経験を球児に還元すべく2017年から郁文館で指導している。元プロの指揮官はスローガンとして「3C」を掲げた。「チェンジ(CHANGE)」「チャレンジ(CHALLENGE)」「CHOICE(チョイス)」の3つの「C」へのこだわりを求めた。田中監督は「ベスト16を越えて上へ行くには、自分たちが変わっていかなければならない。自分たちを変えて、チャレンジして、良い選択をすることが勝利につながっていく」と語る。チームには2021年4月、雪谷指揮官時代に甲子園出場を果たした相原健志氏(元日体大荏原監督)が助監督に就任、指導体制も充実している。 ■学校の代表としてプレー

【郁文館】『主将のチーム分析・甲斐一馬 (3年=投手)』コラム 主将のチーム分析 #郁文館

甲斐一馬 主将(3年=投手)のチーム分析 東東京で優勝して甲子園へ 「打線は1番・高橋颯太、3番・小沢大輔がチャンスを作って、4番の郭家樺につないでいきます。投手陣は自分と秋葉陵汰が中心になって引っ張っていきます。投打の力は高いので東東京で優勝して甲子園出場という夢を叶えたいと思います」 (2021年8月号掲載)

関東一・米澤貴光監督 「決勝戦開催に感謝」 #関東一

関東一・米澤貴光監督 決勝戦開催に感謝 「コロナ禍で対外試合に制限がかかっている状況下で、決勝戦の舞台を用意してもらったことに感謝しています。チーム、選手にとっては最高の実戦経験になりました。春季都大会優勝という結果はチームにとってプラス。この結果に奢ることなく夏も一戦一戦、戦っていきたいと思います」 【監督プロフィール】1975年東京都生まれ。関東一−中央大−シダックス。2000年に関東一監督に就任。2008年春に同校14年ぶりの甲子園出場を決める。2015年夏から2016年夏まで3季連続甲子園出場。2015年夏甲子園ベスト4、2019年夏甲子園ベスト8。2021年春都大会優勝 (2021年8月号掲載)

第103回全国高校野球選手権 東西東京大会開会式

第103回全国高等学校野球選手権大会 東・西東京大会開会式 栄冠は球児に輝く 決勝は8月2日、東京ドーム  第103回全国高等学校野球選手権大会東・西東京大会の開会式が7月3日に神宮球場で開催された。コロナ禍の開会式は東139校、西132校の計271校の主将、プラカードの2名が参加。選手たちの代表として力強く行進した。前回大会優勝校の東東京・関東一、西東京・国学院久我山が優勝旗を返還し、今大会の健闘を胸に秘めた。関東一・楠原悠太主将が選手宣誓を務めて完全燃焼を誓った。東・西東京大会決勝は8月2日に東京ドームで行われる。   (2021年8月号掲載)      

【関東一】「春季東京制覇 V」#関東一

再々延期の決勝制す 関東一5度目V  2021(令和3)年春季東京都高等学校野球大会決勝が6月21日に開催され、関東一が5対0で日大三に勝利し、5年ぶり5度目の優勝を果たした。  決勝は当初4月25日だったがコロナ禍の緊急事態宣言発出で延期。関東大会後の5月28日に設定されたが、日大三にコロナ感染者が確認されたため再度延期となった。2度の延期の末に実施された決勝戦は府中球場にて有観客で行われた。夏の東西東京大会が近づく中で、決勝の場を与えられた両チームは、関東一・市川祐、日大三・宇山翼の両エースが先発。東京決勝の場にふさわしい好ゲームを演じてみせた。試合は関東一が勝利したが、試合後は両チームが互いの健闘を誓って、“長い春”の幕が閉じた。 (2021年8月号掲載)          

【日大三 野球部 】「夏照準」#日大三

3年ぶりの夏甲子園へ団結 コロナ乗り越え、いざ夏へ 日大三が春季都大会準優勝となった。コロナ禍を乗り越えた名門は、西東京大会の第1シードとして夏へ挑んでいく。 (2021年8月号掲載) ■練習休止からチーム再始動   決勝戦前、チームはアクシデントに見舞われた。4月25日の決勝が延期になったため先に関東大会を戦った日大三。だが、その後、チームにコロナ感染者が出た影響でチーム活動は5月20日から6月4日まで停止となった。選手たちは選手寮から自宅で一時待機へ。自主練習も難しい状況の中で2週間という時間を耐えた。6月21日の決勝戦は練習再開後まもなくだった。小倉全由監督をはじめ選手たちは、決勝戦開催に感謝しゲームへ挑んだ。 日大三の先発は、エース左腕の宇山翼(3年)。球速以上にボールのキレがあり、コントロールも冴える。今季のチームは宇山を核として進化を遂げてきた。宇山は初回こそ順調な立ち上がりだったが2回に2死から3安打を浴びて2失点。4回にも2点を失ったものの我慢の投球で味方の反撃を待った。 ■投打のタレント揃うチーム  

郁文館・田中幸雄監督「技術と心の成長の先に勝利がある」 #郁文館

郁文館・田中幸雄監督 技術と心の成長の先に勝利がある 「2019年にベスト16に進出できましたが、そこから先へ行くには野球の技術だけなく人間的な成長が必要だと考えています。レギュラーだけではなく部員全員が夢への気持ちを一つにして、成長していくことが大切だと考えています」 (2021年8月号掲載) 【監督プロフィール】1959年千葉県生まれ。流山高―NTT関東(元電電関東)。身長190センチの大型投手として活躍、1981年ドラフト1位で日本ハムに入団。プロ8年で通算25勝。引退後、日本ハムでスカウト、投手コーチ。横浜でスカウトなどを務める。2017年から郁文館コーチ、2018年7月から監督。

【関東一】エース

チームのために投げ抜く 市川祐(3年=投手)  「昨年夏の独自東東京大会決勝(帝京戦)では自分のピッチングで負けてしまって先輩たちに迷惑をかけてしまった。甲子園に行ける今年の夏は、先輩たちの思いも背負ってマウンドに立ちたい。春は東京都で一番になるという目標を掲げてみんなで戦ってきた。この経験を夏へつなげていきたい。自分のためではなくチームを勝たせるピッチングをして甲子園へ行きたい。感謝の気持ちをグラウンドで表現したいと思います」   (2021年8月号掲載)  

【啓明学園】監督が記す筆文字メッセージ

監督が記す筆文字メッセージ  1月1日生まれの芦沢監督。毎年、元日に書き初めをしていた中で「余った墨で書き始めたのがキッカケ」と3年前から、姿勢を正し、念を込めながら筆を走らせた。座右の銘である『一瞬懸命』の他に、野村克也氏の『敵は我にあり』や津田恒実氏の『弱気は最大の敵』など、様々な「名言」「金言」「格言」が記された紙が40枚以上。グラウンド横にある監督室の中と外に、生徒たちの目に留まるように貼り付けられている。芦沢監督の一番のお気に入りは、自身のオリジナルでもある『それでいいの?』。「自分自身を俯瞰せよということ。単純だけど大事なこと」。書には魂が宿る。精神面を重要視して人間力を育てる啓明学園の野球部の指針となっている。    

【日大三】エース

孤高のサウスポーエース 宇山翼(3年=投手)  日大三の絶対的エースだ。130キロ前後のストレートと、キレのあるスライダーを武器にゲームをまとめるサウスポー。抜群のコントロールで四隅を丁寧に突き、絶妙の投球術でバッターのタイミングをズラしていく。チームには2番手サウスポー岡村海琉(3年)も控えるが、宇山の信頼度は高い。孤高のエースは、甲子園を視野に灼熱のマウンドに立つ。 (2021年8月号掲載)

【関東一 野球部】 「春の栄冠」#関東一

エース市川祐、夏へ万全 5年ぶり5度目の春優勝 関東一がコロナ禍で延期になっていた春季都大会決勝で日大三を5対0で下して5年ぶり5度目の優勝を果たした。春の栄冠を手にしたチームは、羽を休める間もなく夏大会へ突入していった。 ■決勝は日大三に5対0   関東一が盤石の戦いで、コロナ禍の春季都大会を制した。当初決勝戦は4月25日に予定されていたが2度の延期によって夏大会直前の6月21日開催となった。チームは5月に関東大会に出場、関東強豪相手に決勝まで勝ち上がって準優勝を収めていた。都大会決勝よりも、関東大会が先になる異例のスケジュールとなったが、選手たちは士気高く、ゲームへ臨んだ。決勝戦の先発は、エース市川祐(3年)。昨秋以降、オーバースローからスリークォーターのフォームに改造。春季都大会序盤はまだフォームが固まっていない印象を受けたが、関東大会の好投を経て安定感が増した。低い重心から最速143キロのストレートと、ブレーキの効いた変化球を投げ込み、日大三打線に的を絞らせなかった。被安打2奪三振8の完封勝利。ベストピッチングとも言える内容で、エース復活を強く印象付けた。 ■走攻守のバランス整うチーム   決勝・日大三戦では、エース市川を中心とした守備でリズムをつかむと、1〜9番の各打者たちがチームバッティングに徹して、着実に加点していった。ポテンシャルの高いチームだが関東大会計4試合の経験によって力強さが増している。「チームとして形になってきている」(米澤貴光監督)。  夏の東東京大会の優勝候補筆頭だ。投手陣はエース市川を軸に、鈴木義信(3年)、成井颯(2年)も計算できる。東東京大会は準決勝、決勝が連戦予定のため、この投手層は夏制覇の好材料だ。打線もリードオフマン染谷真ノ介(3年=外野手)がスイッチ役となり、クリーンアップの初谷健心(3年=内野手)、楠原悠太(3年=内野手)へつなぐ。2番・立花大地(3年=内野手)が役割を果たせば、8番・石見陸(3年=捕手)も勝負強さを見せる。走攻守のバランス整うチームは、東東京大会の大本命であることは間違いない。

【郁文館】エース/主砲

主砲/郭家樺(3年=中堅手) 台湾からの留学生プレーヤー。恵まれた身体能力で攻守に力を発揮。4番打者としてフルスイングで、得点を稼ぐ。 エース/甲斐一馬主将(3年=投手) 重心の低いフォームから威力あるストレートを投げ込む本格派左腕。キャプテンとしてもチームを牽引する絶対的存在だ。     (2021年8月号掲載)  

【啓明学園 野球部 】「結果を恐れず、人間力を磨く」#啓明学園

元プロの監督の下で 「常に明るく」プレーした男たち 2015年4月に就任した芦沢真矢監督の下、着実な成長を遂げてきた啓明学園。彼らが戦う姿は、実に清々しいものだった。(取材・三和直樹) ■定着したチームの色 常に明るく、前向きに。口で言うのは簡単だが、それを全員で体現してきた。「試合を観に来てくれた人が、啓明学園の野球は“元気で明るい”から“楽しい”と言ってくれて、応援してくれる。それがこのチームの伝統だと言える」。2015年2月に部員8人だったところから丹念にチームを作り続けて6年余りが経過。3学年で計40人が汗を流すグラウンドを前に、芦沢監督は「野球部っぽくなったな」と笑みをこぼしながら、その「雰囲気」に目を細める。  そこには信念がある。「技術や体力よりも前に“人”としてどうあるべきか。大事なのは人間力」と芦沢監督は強調する。元プロ野球選手の経歴を持ち、指導者としても様々なカテゴリーの選手たちを育ててきたが、「プロも高校生も変わらない。人対人。どれだけ野球が上手くなっても、常に謙虚でいることが何よりも大事だ」と説く。  結果は求めない。「準備不足や全力疾走を怠った際には怒る」と言う芦沢監督だが、「プロでもミスをする。打った、打たれたという部分を怒っても仕方ない。僕が最初にやる作業は、気持ちを解放させてあげること」と言う。メンタルトレーニングを導入し、常にプラス思考で試合に臨める状態を作る。試合中、なかなか得点が奪えない展開が続けば、「無責任で行こう!」との声が飛ぶ。失敗を恐れることなく、初球から思い切り良くバットを振り切る。それが、啓明学園の野球だ。 ■集大成の夏 無理に求めなくても、結果は付いてきた。日々、全力で汗を流しながら着実に力を伸ばしてきたチームは、2019年夏の3回戦で強豪・佼成学園に9対5の逆転勝利。昨夏の代替大会でも、最後は世田谷学園に2対4で敗れたが、2年連続で4回戦進出を果たして存在感を見せた。  今年の3年生について「全員真面目なのが特徴。手を抜くことがない。言われなくてもやる」と芦沢監督は評する。昨秋はブロック予選を突破した後の1回戦で桜美林相手に0対1、今春は2回戦で小山台と9対10。投手戦と乱打戦の違いはあれども、ともに実力校を相手に僅差の展開に持ち込み、熱戦を繰り広げた。コロナ禍でチーム練習ができなかった時期が長かった影響でミスは多くあったが、「このチームは明るい。チーム一丸となって声を出す」(野木裕太主将)と元気一杯の積極プレーは変わらなかった。

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