秋季神奈川大会【向上】殊勲の準優勝

一戦進化、初の秋決勝進出
選抜目指し、初の秋季関東大会へ

向上が秋季神奈川県大会で初の決勝進出を果たして準優勝となった。壁を超えたチームは、選抜出場を目指して、初の秋季関東大会へ向かう。

■新グラウンド一期生の躍進

向上は、2020年春まで、ダイヤモンドほどのスペースのグラウンドで練習に励んでいた。だが、2020年6月に全国屈指の設備を誇る「新グラウンド」が完成。選手たちは、広々とした球場で、フリーバッティングができるようになった。今秋の主力となる2年生は、入学時から新球場でトレーニングに励んだ「一期生」。選手たちは、狭いグラウンドで努力してきた先輩たちの思いを背負って大会へ臨む。平田隆康監督は「グラウンドができたからといって、自然に強くなるわけではない。これまで以上の責任感を持って戦っていく」と新たな環境での抱負を語った。チームは新グラウンド完成後、昨夏は4回戦、昨秋は3回戦で敗退。今春、夏はいずれもベスト8だった。今秋、チームは「壁」を突き破った。

■接戦を制して勝ち上がったチーム

秋季大会は初戦となった2回戦から激闘となった。2回戦川和は8回まで0対1で劣勢だったが9回に同点に追いつくと延長サヨナラ勝利。3回戦橘は序盤で7対1とリードしながら中盤に7対7となる嫌な展開となったが、最後に突き放して12対7で勝ち上がった。4回戦相模原弥栄も2対1の接戦。準々決勝で横浜隼人を下して準決勝は桐光学園が相手になったが中盤までのリードをエース佐藤諒音(2年)が守り抜いて5対4で競り勝ち、関東切符をつかみ取った。連戦となった決勝戦では、 東海大相模に2対9で屈したが、準優勝という結果で大会を終えた。エース佐藤は「守備と打撃に支えられて決勝まで進むことができた。決勝戦では自分に足りない部分が分かったので、課題に取り組んで強豪相手に投げ勝てるピッチャーになりたい」と結果を受け止めた。

■準優勝はゴールではない

チームは初の関東大会へ向かう。小野侑人主将(2年)は「みんなの前向きな姿勢が準優勝という結果につながった。自分たちの戦いを徹底していって、関東大会でも一戦一戦、目の前の試合に集中したい」と話した。選抜出場がかかる秋季関東大会は、各県の強豪が集い、神奈川とは違った戦いも要求される。その中で向上らしさを発揮できるか。平田監督は「この秋季大会では簡単な試合は1試合もなかったが、高いレベルの試合を経験させてもらえたことで一戦ごとに選手たちが成長していった。決勝戦での課題を持ち帰って、もう一度、切り替えて関東大会へ挑みたい」と引き締めた。向上にとってこの準優勝はゴールではない。悲願の甲子園へ。チームはさらなる決戦に向けて、もう一段ギアを上げていく。

 

 

 

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