【王子総合】  「新たな風」 #王子総合

創部12年目のターニングポイント
市川前監督が昨秋勇退し教え子・寺崎監督へ

 王子総合は2021年秋まで市川幸一前監督が指揮を執ったが、同年冬から寺崎貴哉監督がチームを率いている。創部12年目を迎えるチームは新たな戦いに乗り出していく。

■師弟コンビでチームを活性化  

王子総合は2021年秋まで東京のレジェンド指揮官・市川前監督がチームをまとめていたが定年を迎えたことで監督を勇退。現在は外部指導員となり助監督の立場で、チームをサポートしている。チームを引き継いだのは、市川氏の文京監督時代の教え子である寺崎監督。寺崎監督は拝島で5年間指揮を執り、昨年、王子総合に戦いの場を移した。市川前監督は「寺崎監督は、文京時代から“熱い選手”だった。助監督の立場になったので、采配はすべて彼に任せて私は野球を楽しんでいる。都立を巡る環境が変わってきている中で、選手をどうやって集めて、どう育てて、どうやって勝っていくかが、これからの都立監督に求められていくと思う」とアドバイスを送る。師弟コンビによってチームは再び活気を帯びている。

■オレンジのユニフォームの誇り  

王子総合は今春に変化があった。創部以来、坊主頭を推奨してきたが、時代の流れによって「髪型自由化」となった。坊主頭を継続する選手もいるが、多くの選手は短髪スタイルで野球と向き合う。髪型のルールは変わったが、野球を本気で楽しむスタイルは不変だ。選手たちは学校校庭の恵まれた環境で、バットを振り、白球を追う。寺崎監督は「髪型は変わったが緩い雰囲気でプレーするのではなく、結果を求めて本気で野球を楽しんでほしい。選手たちは意欲的に練習に取り組んでくれているので、気合と根性を再注入しています」と選手と向き合う。現在の部員数は2年生10人(マネージャー2人)、1年生9人(同1人)。選手たちはオレンジのユニフォームに袖を通して勝利を目指す。

■秋季予選では逆転勝利で都大会へ  

新チームは8月上旬に始動した。選手たちはミーティングで目標を再確認し、自分たちの代のチームをスタートさせた。チーム目標は「夏の東東京大会ベスト8」。そのために各大会でベストを尽くす。秋季一次予選では初戦で、サウスポー今野航(2年)の好投によって順天に9対4で勝利。予選決勝では中大附にリードを許す苦しい展開となったが、田中健太主将(2年=捕手)のホームランなどで逆転に成功して10対6で勝ち切った。田中主将は「夏の始動のときは意識が甘く、チームとして戦えていなかったが、予選では全員があきらめずに一丸となって戦うことができた。投打のポテンシャルは高いので、みんなの力を合わせて一つでも高い場所へ向かっていきたい」と意気込む。創部12年目、王子総合は時代の風に乗って、新たな歴史を作っていく。

 

おすすめの記事