【森村学園 野球部】「エンジョイ野球」 #森村学園

選手の資質を最大限に引き出す指導
「野生化理論」で目指す「夏1勝」

選手たちが野球を楽しみながら、のびのびと練習に励む森村学園。チームは長きにわたって勝利を挙げていないが、今、長津田の校庭には新しい風が吹き始めている。

■練習試合勝利が学校の話題に

11月下旬、森村学園の一般生徒たちが野球部員に話しかけた。「練習試合で勝ったんだって?」。野球部は11月の練習試合で接戦の末に勝利、それは公式戦を含めて久しぶりの勝利だった。昨年夏は1回戦敗退、秋予選3試合も勝利は遠かった。選手たちを見守る河合優次部長によると、過去20年以上の公式戦で勝利がなく、練習試合もほとんど負けていたという。だが、そんな野球部が練習試合で勝った。それは学校中の“ニュース”になった。鈴木晴太副将(2年=外野手)は「今まで味わったことのない感覚で、アウト一つの重みを感じました」と振り返る。現在の部員は2年生7人、1年生9人の計16人。勝利の喜び、野球のおもしろさを知った選手たちは、士気高くトレーニングに励んでいる。

■“野生の力”を引き出す

森村学園には新たな風が吹き込んでいる。野球部は生徒たちの資質とレベルに合わせた指導を実践。2020年1月からは、高校野球とアメフトの世界を知る外部指導者・弓田信監督がユニークな指導方法で選手たちを率いている。指揮官は、アメフトの経験を野球の世界へ取り入れて、選手の持つ力を最大限に発揮させることを目指す。エース星勇登(2年)は高校1年生時の球速は100キロ前後だったが、体の使い方を覚えたことで2年秋には130キロをマークしたという。オリジナル指導に取り組む弓田監督は「選手が持つ“野生の力”を引き出すことによって、運動能力を底上げしています。私は『野生化理論』と名付けていますが、この2年間で選手たちは大きく成長してくれています」と手応えを感じている。

■エンジョイ野球を実践

コロナ禍ということもあり、現在の練習は週4回の各1時間ほど。選手たちは、限られた時間、限られたスペースで練習に励む。中高一貫の森村学園は小学校も備えているため、選手たちの多くは小学校時代からの幼馴染で10年以上の付き合い。チームの一体感はどこにも負けない。チームは、エース星勇登(2年)、鈴木副将、坂井優斗(1年=内野手)、肥田野輝(1年=内野手)が軸となる。中学時代にバドミントン部で高校から野球を始めたという平山竜太郎主将(2年=捕手)は「みんなが野球を楽しみながら切磋琢磨できるチーム。秋大会後、チームは大きく成長したので、夏1勝以上を狙って『エンジョイ野球』を実践していく」と声を弾ませる。森村学園は、野球を最大限に楽しむことで強くなる。

 

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