頂点狙う神奈川の縦縞軍団
2021年秋、4年ぶりのベスト8進出
昨秋に4年ぶりのベスト8へ進出した横浜隼人。投打のポテンシャルを秘めるチームは「常勝氣鋭」をスローガンに頂点を狙っていく。
■秋に4年ぶりベスト8
2014年夏から2017年秋までの11大会で計10度のベスト8進出を果たした横浜隼人(2014年夏はベスト4)。2009年の甲子園初出場から力を維持してきたチームだが、2018年春以降はベスト8にたどり着くことができていなかった。コロナ禍でもじっくりと力を蓄えていたチームは昨秋にベスト8へと到達した。神奈川屈指の強打者・前嶋藍主将(3年=捕手)を核とした横浜隼人は、2回戦で舞岡、3回戦で瀬谷、4回戦で藤沢清流に勝利し準々決勝へ。4強入りこそ逃したが、復活の福音を鳴らしてみせた。水谷哲也監督は「ベスト8は4年ぶり。組み合わせなどの条件はあるが、まずはこのラインに立つことが大切になる」と語る。チームは秋ベスト8をクサビにして高みを目指す。
■個人練習の重要性
オフシーズンは、今年もコロナ禍によって練習制限がかかった。例年、横浜隼人は冬の食トレ&フィジカルトレーニングでパワーアップするが、1月中旬以降は分散登校により、野球部員も半数ずつの登校。1日置きに選手がグラウンドで練習するが、練習は平日90分に限定された。グラウンドでの補食はもちろん禁止となり、自宅での自主練メインの日々が続いた。チームは、オンライントレーニングなどを駆使しながら個人の力を伸ばしていった。実戦不足は否めないが、それはどのチームも同じ条件。指揮官は「この冬は個人練習が主だったので、今後は個の力をチームに落とし込んでいく作業が必要。実戦経験が少ない分、いかに考えてプレーできるかが重要だ」とチーム作りに言及する。選手たちは、限られた時間の中で野球に情熱を傾ける。
■着々と力を伸ばす選手たち
投打のバランスは整っている。強肩強打の捕手・前嶋がキャプテンシーを発揮するチームは、春・夏に向け飛躍の予感が漂う。投手陣は、最速139キロのストレートと変化球を操る実戦派エース西川雄大(3年)、最速140キロの豪腕・鈴木海成(3年)のダブルエースが確立。捕手・前嶋、エース西川のバッテリーは昨夏も出場しているため経験値は高い。打撃陣は、主砲・前嶋主将を軸に、シャープな打撃をみせる上本蓮夢(3年=遊撃手)、パワー抜群の金丸雄海(3年=内野手)、下級生ながら4番を任される久保風仁(2年=内野手)、南雄大(3年=外野手)、長瀬航生(3年=外野手)らタレントが揃う。チームスローガンは「常勝氣鋭」。気持ち鋭く、勝利を追求していく。前嶋主将は「秋ベスト8は一つの自信にはなるが満足はしていない。春・夏は、結果で自分たちの力を証明したい」と力を込める。投打のポテンシャルは神奈川屈指。秋ベスト8を超えて、神奈川制覇を成し遂げる力を秘めている。