【小岩 野球部】  「努力」  #小岩

昨夏の東東京大会ベスト16
秋予選敗退からのチャレンジ

 昨夏に進撃をみせてベスト16へ進出した小岩。好結果によって部員数が着々と増えるチームは都立最強、そして甲子園を目指して邁進する。

先輩たちの16強を超える  

今年も何かが起きる予感が漂っている。城東時代に主将として甲子園を経験している茶川剛史監督率いるチームは、2020年夏の独自東東京大会2回戦で修徳を下して金星を挙げた。昨夏の東東京大会では、高草優心主将、エース鎌田翔吾を軸に気迫あふれるプレーをみせると執念で5回戦まで勝ち上がってみせた。準々決勝進出をかけた淑徳戦では5対6で惜敗したがベスト16という結果を残して夏を終えた。前チームは先輩たちが主体だったため今季のチームは総入れ替えとなった。新チームの小林智哉主将(3年=外野手)は「先輩たちは声を出し合って良い雰囲気を作り、互いに要求し合っていた。良い部分を継承して自分たちの力にしていきたい」とチーム作りに取り掛かった。

■昨秋は無念の予選敗退  

秋の1次予選初戦・成立学園は快勝だった。甲子園経験がある実績校相手に8対6で勝利し最高のスタートとなったが、予選決勝で海城相手にリードしながらも4対5で逆転負け。予選突破を果たすことができなかった。仕切り直しを図ったチームは、自分たちの弱さを認識した上で地道に努力を続けた。このチームを象徴する選手は、長谷川歩夢(3年=外野手)だ。コロナ禍で練習時間が限られる中でひたむきに努力を積み重ねている。自宅に戻ったあとも、自身が納得するまでバットを振り込み、野球ノートに成果を綴る。茶川監督は「長谷川はまさに努力の男。日々の努力が成長につながることを示してくれている」と評価する。小岩は、チーム全員が切磋琢磨することで一歩ずつ進化を遂げている。

■努力にまさる練習なし  

チームは、小林主将を軸に一つになっている。投手陣は、エース進藤友翔(3年)のフォームが安定し、制球力が増した。進藤はスライダーを武器に臨戦態勢を整えている。また、右の本格派・半澤塁(3年)、関根幹太(2年=内野手・投手)も力を伸ばす。打線は、小林主将、宮永桜朗(3年=内野手)、関根が個性あふれる打撃をみせる。4番に座る宮永はしなやかなスイングで右方向に強烈な打球を放つ都立屈指の好打者。チームは投打の歯車が噛み合えば昨夏以上の結果が期待できる。主砲・宮永は「自分のためではなくチームのために打席に立つ」と春・夏に備える。近年、結果を残すチームは3年生11人、2年生19人の計30人に加えて、春には多くの新入生の加入が期待できる。活気が増すチームには大きな可能性が秘められている。茶川監督は「努力に代わる練習はない。コロナ禍だからこそ、1日1日を大切してほしい」と選手を見守る。“夏の小岩”は、逆境を力に、たくましくなる。

 

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