【市ケ尾】「ベスト16に勝つ」(2023年夏)

投打充実、春大会ベスト16進出
2年連続で戦国・神奈川の夏シード獲得

春大会でベスト16進出を果たした市ケ尾が、2年連続の夏シードを獲得した。野球を本気で楽しみながら進化を遂げるチームは、新たな歴史をつくっていく。

■力と自信を蓄えるチーム

近年の各大会で安定した戦いをみせる市ケ尾は、神奈川公立屈指の戦績を残す。昨春にベスト16進出を果たして夏シードを獲得し、ベスト32へ進出。昨夏のメンバーが多く残った今年のチームは、昨秋大会2回戦で相洋に敗れたが接戦を演じて力を示した。そして今春には2回戦で生田に勝利すると、3回戦では川和と対戦。2回までに4点を奪うと、堀川爽馬(3年)から木澤卓也(3年)の継投によって7対2で勝ちきり16強入り。2年連続で夏シードを獲得した。昨夏は一戦一戦勝ち上がって得たシード権だったというが、今年は狙って奪ったシード権という。

■野球を本気で楽しみながら成長

チームを指揮するのは就任7年目を迎える菅澤悠監督だ。学校の雰囲気と選手の気質に合わせた指導を実践。市ケ尾の旗印のもとに集まっている選手は、3学年合わせて55人。チームは公立屈指の規模に成長し、グラウンドには活気があふれる。市ケ尾は、投手育成に定評があり、毎年、個性あふれるピッチャーが力を発揮。指揮官は、日々の練習試合から「連投40球」という球数制限を徹底。多くの投手に責任とチャンスを与えながら進化を促していく。菅澤監督は「やらされる練習よりも、自分でやる練習の方が選手は伸びていく。方向と方法を提示するだけで、あとは選手の自主性に任せています」と説く。野球が好きな選手たちは、野球を本気で楽しむことで著しい成長を遂げる。

■投打のポテンシャルは史上最強

今年のチームは、攻守に堅実なプレーをみせる松本大馳主将(3年=内野手)が背中で引っ張る。右サイドの本格派・木澤卓也(3年)とコーナーワークが特長の堀川爽馬(3年)のダブルエースは、私学相手に真っ向勝負できる力を備える。守備では、松本主将と杉山英志朗(2年)の二遊間が軽快なグラブさばきでダブルプレーを次々と完成させていく。打撃は1番・高槻琉聖(3年=外野手)がスイッチ役となり、杉田周一郎(3年=内野手)、主砲・犬丸宗祐(2年=内野手)らにつないでいく。投打のポテンシャルは、市ケ尾史上最強。チームの目標は「ベスト16に勝つ」。シードクラスに勝つという目標だが、自分たちに勝つという意味も含まれる。松本主将は「ベンチ、スタンドのメンバーが一体となって完全燃焼したい」と力を込める。力と自信を蓄えるチームは士気高く、夏の舞台へ向かっていく。(7月7日現在)

 

 

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