第96回選抜高校野球大会 選考レポート【関東一】「8年ぶり春甲子園」

8年ぶり春甲子園

1月26日、第96回選抜高校野球大会の選考委員会が開催され、昨秋の東京都大会を制した関東一に、8年ぶり7回目の吉報が届いた。(取材・松井裕一)

「ただ今、本校が第96回選抜高校野球大会の出場校として選出されました。選抜大会は3月18日から始まります。ぜひ皆さん、応援に参加しましょう」。出場決定から間もなく、全校生徒に向けて校内放送が流れた。

加藤雅子校長から「ここまで来るには多くの人の応援があったと思います。1試合でも多く試合をし、いい思い出になるように精いっぱい頑張ってください」と激励の言葉をかけられ、高橋徹平主将(2年=内野手)は「優勝できるように頑張ります。応援よろしくお願いします!」と冷静に決意を述べた。  選考理由として、最速145キロの快速右腕・坂井遼(2年)、緩急自在の投球が持ち味の左腕・畠中鉄心(2年)の二本柱を中心とした守備力と、3番・高橋主将を軸にした上位から下位までしぶとい打線が評価された。

米澤貴光監督は「東京代表として私たちも含め、選手たちにも責任を感じてほしい。伝統の守備力と機動力が強み。一つひとつ勝利を重ねていきたい」と落ち着いた表情で話した。  昨秋、東京代表として臨んだ明治神宮大会で初勝利をあげた。特筆すべきは準々決勝の大阪桐蔭戦。同大会2連覇中の相手に得意の機動力を発揮し、9対5で見事に撃破した。高橋主将は「ずっとテレビなどで観ていた学校。相手のミスの隙をついて得点できた。勝ったことで自信になりました」と振り返った。  関東一の選抜大会での過去最高成績は1987年の準優勝。米澤監督は「今春から新規格バットになるため、より細かい、考える野球を追求しています。選手たちも分かっています」と語る。クレバーなプレーで聖地をわかす同校の活躍に期待が高まる。

 

Wエース/坂井遼(2年)(=上) 畠中鉄心(2年)(=下)


主将/高橋徹平主将(2年=三塁手)

チーム一丸でレベルアップしている
「この冬場は選手全員で切磋琢磨してチーム全体の底上げができています。特に強化しているのは、打撃ではミート力と小技の精度向上です。実戦練習では走塁にも力を入れています。個人としては、新規格バットでの甲子園第1号本塁打を放ちたいです」

監督/関東一・米澤貴光監督

守備を生かした戦いをみせたい
「昨秋は坂井と畠中を中心に勝つことができました。二本柱で対戦校の特徴によって先発を決めることができますし、2人とも完投能力もあります。新規格バットになるにあたり打撃については『打球を遠くに飛ばすことが野球ではない』と選手たちに伝えています。チームとしては、時間をかけて取り組んでいる守備がより生かせると考えています」

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