選手が主体になってチームを運営
野球を通じて人間力向上を目指す
前任の園山蔵人監督(4月に篠崎へ異動)時代から選手たちが主体的になってボトムアップ型のチーム運営を行う江戸川。選手たちは野球を通じた「人間力向上」を目指して、さまざまな取り組みで成長を遂げている。
■選手主体のチーム運営で人間力向上
選手主体の取り組みが特徴の江戸川では、全選手がスキル(技術)や環境整備、人間力向上などチーム内の係に所属し、責任感を高めている。練習は「バッテリー」「バッティング」「内野」「外野」「走塁」「トレーニング」などメニュー別のキャプテンが中心となって考案し、指導者らと共有して決めていく。選手主体のスタイルに魅力を感じて入学したという片倉裕太主将(3年=内野手)は「選手が主体となってチーム運営をするのは難しい部分も多いが、江戸川高校でしか味わえないやりがいや達成感を感じている」と充実した表情。チーフマネージャー(副主将)で外野キャプテンを務める三本泰一郎(3年=外野手)は「周りを見る視野が広がり、考える力やアウトプットする力がついてきた。野球だけではなく、社会に出た時に生きる力が身についている」と成長を実感している。
■選手たちの自主性に寄り添うスタッフ陣
4月の人事異動で園山監督が篠崎へ異動し、春の都大会本戦は関優音教諭が監督、佐藤佑哉コーチが助監督を務めた。夏の大会も春と同様に関教諭、佐藤コーチらを中心に指揮を執る見込みだ。関教諭、佐藤コーチは「練習メニューについては選手たちの自主性を重んじることがベースなのは変わらない。選手たちが持ってくるメニューや課題をスタッフと共有して、協力したりアドバイスを送ったり、時には軌道修正をしながら寄り添っている」と選手たちの成長を見守っている。さらに江戸川出身で足立西の監督を務めていた芝英晃教諭が4月から赴任。芝教諭は顧問に入り、総勢で7人(教員4人・外部コーチ3人)のスタッフが選手たちの自主性を尊重し、寄り添っている。
■夏への課題と収穫を持ち帰った春
春の都大会は一次予選から出場。1回戦は攻玉社に15対6(7回コールド)、代表決定戦は多摩大聖ヶ丘に12対2(6回コールド)と、2試合連続のコールド勝ちで本戦に駒を進めた。聖パウロ学園と対戦した都大会1回戦は初回から4点を先行され、5対9で敗れた。攻撃陣は中盤以降に集中打で得点を重ねるなど3試合で32得点を記録したが、いずれも立ち上がりが課題だ。関教諭は「春の公式戦は3試合ともに初回に先制を許している。立ち上がりはチーム全体で改善していきたい」と振り返る。多くの収穫と課題を持ち帰り、チームは夏に向けて再始動。片倉主将は「選手間で課題や必要なもの、戦術を考えて実戦していくことに価値も感じている。自分たちに足りないものを考えながらチーム一丸で高め合っていきたい」と前を向く。選手たちは試行錯誤を重ねながら、夏の飛躍を目指している。