今春都大会で27年ぶりにベスト16進出
文武両道進学校の果敢なチャレンジ

今春都大会で27年ぶりにベスト16へ進出し夏シードとなった錦城(西東京)。選手たちは日々、自分と向き合いながら、2年半という高校野球生活を過ごしていく。

■サウスポー宮地が2戦連続完封勝利

錦城が今春に周囲を驚かせる進撃をみせた。1回戦は不戦勝となり2回戦へ駒を進めると、都立実力校・紅葉川相手に4対0で勝利してみせた。3回戦は都立強豪の片倉が相手となったが真っ向勝負を演じた。サウスポー宮地晴大(2年)の緩急自在のピッチングと、堅実な守備でリズムをつくって相手打線を封じ込めると、勝負所で得点を重ねて5対0の完勝で27年ぶりにベスト16となった。2試合連続完封で16強入りの立役者となったサウスポー宮地は「コントロールを意識して投げた結果が勝利につながった」と話す。ベスト8進出をかけた4回戦でも東海大菅生相手に序盤は善戦するなど力を発揮。1対5での敗戦となったが、西東京強豪相手に自分たちの野球を体現してみせた。

■野球部の練習は、個人練習がベース

錦城は文武両道の進学校だ。自主性を伸ばす教育で多くの難関大学合格者を輩出している。生徒と教員のコミュニケーションが活発なのも特徴だ。野球部の練習は、個人練習がベースになっている。選手たちは自分の課題を把握し、必要な練習を積み重ねていく。郷野康輔監督は、グラウンドを巡って選手たちの声に耳を傾けて、アドバイスを送っていく。片山倫主将(3年=内野手)は「試合での反省を練習メニューに反映してそれぞれが努力をしている。自分たちで考えることによって野球をより楽しめている」と練習に励む。チームスローガンは「一味同心」。それぞれの個性を生かしながら、同じ目標へ向かって突き進んでいく。

■夏の目標はベスト8

チームは、攻守の要でもあり精神的支柱の片山主将が軸となる。投手陣は182センチの長身右腕・牛久保佑樹(3年)と、実戦派サウスポー宮地のダブルエースが確立されて、強豪相手にも投げ抜く力を持つ。牛久保は「夏の目標は、神宮で試合をすること(ベスト8以上)。そのためにチームでの役割を果たしたい」と夏へ向かう。打線は、186センチの主砲・市川大敏(3年=内野手)、リードオフマン亀山樟(3年=内野手)らがチームバッティングで得点に絡んでいく。夏シードだが受け身になることなく、チャレンジャーとして戦いへ挑む。春から夏へ。錦城の選手たちは最後の瞬間まで自らを成長させていく。錦城で過ごした時間が、夏進撃の原動力となる。

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