延長タイブレーク12回でサヨナラ惜敗
「東京・関東6枠目」への希望を残す
早稲田実が秋季都大会で準優勝となった。決勝戦で二松学舎大附に延長タイブレークで敗れたものの準優勝という結果によって、選抜選考「東京・関東6枠目」への希望をつないだ。
■登録11人が夏甲子園を経験
早稲田実は、宇野真仁朗主将(ソフトバンク4位指名)らを擁して今夏の西東京を制し9年ぶりに甲子園へ出場した。2年生エース中村心大の成長によって3回戦へ進出。大社との延長タイブレーク激闘では、内野5人シフトを敷くなど戦術バトルを披露し甲子園を驚かせた。3回戦敗退となったが、登録メンバー中11人が1・2年生という若いチームだった。新チームではエース中村、1番ショート川上真、4番キャッチャー山中晴翔らが軸となり、夏春連続の甲子園出場を狙っていった。夏甲子園出場によって新チーム始動が遅れたが、都大会を勝ち上がるにつれて成熟していった。2回戦で修徳、3回戦で昭和に勝利してベスト8へ進出。準々決勝では小山台に2点ビハインドの状況から3対2で逆転勝利し、準決勝では淑徳相手に終盤に4点を奪って6対0で勝ち切った。
■決勝戦は延長12回の攻防戦
決勝・二松学舎大附戦は激闘となった。1点ビハインドの3回に國光翔のタイムリーなどで3点を奪って主導権を奪い返した。5回にも1点を加えて4対1とリードを広げたが、相手の反撃を受けて5対5となった。8回途中からは右サイドの田中孝太郎が流れを断ち切り、勝敗の行方は延長タイブレークへ突入した。延長10回には、1死2・3塁から遊ゴロで3塁走者・喜澤駿太がホームを突いたが、際どい判定でタッチアウト。11回にも手堅くバントで送ってクリーンアップにつないだが、得点できなかった。12回には意表を突くバスターで無死満塁としたが、どうしても1点が奪えなかった。そして延長12回裏、相手のスクイズによってゲームは決した。エース中村は「チームのみんなが得点を取ってくれたが、自分のピッチングで弱さが出てしまって耐えられなかった。準優勝は悔しいが、まだ可能性は残っているので、しっかりと練習を積んで成長していきたい」と現実を受け止めた。和泉実監督は「(勝ち越す)チャンスはあったが得点につながらなかった。相手が強かったのは認めざるを得ない。ただ選手はよく戦ってくれたと思う」と語った。決勝延長惜敗は選抜選考「東京・関東6枠目」へのアドバンテージ。早稲田実に「吉報」は届くのだろうか。