【健大高崎】第96回選抜高等学校野球大会レポート「初の日本一」

「高崎から日本一」を有言実行
「機動破壊」のスローガンで栄冠つかむ

健大高崎が今春の選抜高校野球大会を制して、初の全国制覇を達成した。決勝戦では報徳学園に3対2で競り勝ち、春の頂点に立った。

■選手全員が目標に向かって努力

9回裏二死2塁。9回からマウンドに立った2年生サウスポーエース佐藤龍月のスライダーが鮮やかな弧を描くと、相手のバットが空を切った。キャッチャー箱山遥人主将のミットに収まった刹那、スタンドが大きく揺れた。それは健大高崎が、全国の頂点に登り詰めた瞬間だった。エース佐藤が大きく腕を上げて喜びを表現すると、箱山主将ら選手たちがマウンドに集結。ナインたちは歓喜の輪をつくり、全国制覇の悦に浸った。青栁博文監督は「(9回にピッチャーを佐藤に代えたが?)最後は佐藤で行くと決めていた。選手全員が目標に向かって努力した結果が優勝につながった」と語った。

■部訓は「不如人和」、旗印は「機動破壊」

1回戦から決勝戦までの5試合、簡単なゲームは一つもなかった。1回戦で学法石川(福島)に4対0、 2回戦では明豊(大分)に4対0で勝利。準々決勝・山梨学院戦ではエース佐藤が左手中指のまめを潰して降板するアクシンデント。準決勝・星稜戦、決勝・報徳学園戦では2年生本格派右腕・石垣元気が先発し好投すると、最後はエース佐藤につなぐ「2年生リレー」で栄冠をたぐり寄せた。2年生投手をリードした箱山主将の技術、リーダーシップも光った。箱山主将は「新チーム始動から全国制覇を目標に戦ってきた。有言実行できて本当に嬉しい。一緒に戦う仲間がいたから日本一になることができた」と語った。部訓は「不如人和」、戦術スローガンは「機動破壊」。その両輪によってチームは日本一になった。

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