2020年秋に8強進出を果たした県立実力校
個の力を束ねて接戦を制するチームへ

 2020年秋にベスト8進出を果たすなど力強い戦いをみせる白山。今年のチームは「団結・結束」をスローガンに夏の飛躍を目指していく。

■虎視眈々と下克上を狙う選手たち

白山は、現横浜指揮官の村田浩明監督が2013年秋から2020年3月まで指揮を執り、チームの揺るぎない土台を築き上げた。2018年夏には北神奈川大会でベスト8に進出するなど、チームの進化を示した。2020年4月からは尾形裕昭監督がチームを継承、2020年秋にベスト8まで勝ち上がり21世紀枠県候補となった。そして2023年4月からは、両指揮官時代を顧問・部長として支えた安東拓真監督が指揮を任されている。指揮官は変わっていくのが県立の宿命だが、チームの伝統と情熱は変わらない。チームは、30人の選手たちが虎視眈々と上位進出を狙っている。

■団結を軸に個人の成長を促す

安東監督は、竹田一宏総監督をはじめ計11人の指導体制でチームをまとめている。ベンチ裏には、定期的に測定している選手たちのフィジカルデータが細かく掲示され、各選手の特長と成長が見て取れる。選手たちは自身の数値を把握して切磋琢磨を繰り返している。今年のチームのスローガンは「団結・結束」。白山にスター選手はいないが、全員の力を結束すれば大きな力になる。それは過去のチームが実証してきた。そして、最後は個人の打開力を求めている。安東監督は「野球はチーム競技だが、局面は個人での戦い。勝負所では一人で打開する力を身につけてほしい」と夏までの課題を挙げる。チームは学年の枠を越えた競争が激しくなり、活気付く。

■接戦を勝ち切るチームへ

今年のチームは、ポテンシャルを秘めながらも結果をつかむことができていない。昨秋大会では地区予選3連勝で県大会へ進出したが、初戦の2回戦で相模原弥栄に1対2で惜敗。今春は1回戦で中大横浜に12対9で勝利し、2回戦で大師と対峙したが2対3で屈した。藤山蒼己主将(3年=捕手・外野手)は「秋、春ともに接戦で勝ち切れなかった。競った試合でいかに1点を奪うかを突き詰めていきたい」と夏へ向かう。チームは、制球派右腕のエース西田剛(3年)、攻守に高い能力を秘める小林智樹(3年=外野手)、守備の要・大島優人(3年=内野手)、上村大翔(2年=内野手)が軸。チーム目標は、ベスト16以上。白山の選手は「団結・結束」を胸に戦いへ挑む。一球にかける思いが、結果を手繰り寄せるはずだ。

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