重圧を跳ね除けて西東京の頂点へ
2019年以来の5年ぶりの夏甲子園へ
今春都大会でベスト8へ進出し夏のシード権を獲得した国学院久我山。経験値の高い選手が揃うチームは2019年以来の5年ぶりの夏甲子園を狙う。
■選抜ベスト4の先輩たちの思いを継承
重圧と戦ってきた世代だ。国学院久我山は2022年春に、下川邊隼人(現立教大)、齋藤誠賢らを擁して選抜へ出場すると大舞台で全員野球を体現してベスト4へ進出してみせた。今年の3年生は、選抜後の2022年4月に入学してきた選手たち。甲子園でプレーした先輩たちと同じグラウンドに立ち、高い志を共有してきた。原隆太朗主将(3年=内野手・捕手)、矢野丈太郎(3年=外野手)、常木竣一朗(3年=捕手・内野手)らは、1年春からトップチームに帯同してチームに順応するとその夏から試合に出場し甲子園出場という結果を追求してきた。だが、2022年夏は準々決勝で国士舘に屈した。
■予選敗退からの出発、プライドを捨て春へ
2年次には3年生・木津寿哉(現立教大)らが軸となるチームの一員としてプレーしたが、昨夏は4回戦で駒場学園に敗れた。力を発揮できなかった原と矢野は、試合後に号泣して悔しさをあらわにした。そして新チーム始動となった。原がキャプテンを務めてチームを牽引したが、秋の一次予選決勝で国士舘に0対8で完敗して都大会出場を逃した。主軸の経験値はあったもののチームとして戦うことができずに屈辱を味わうことになった。あの試合が今チームの出発点だった。先輩たちが残してくれた「強い久我山」の土台を崩すわけにはいかない。選手たちはプライドを捨てて冬のトレーニングに励み、進化を遂げた。
■チームスローガンは「闘」
今春は予選から破壊力ある打撃をみせると1回戦で共栄学園、2回戦で日大二を撃破。さらに3回戦では世田谷学園、4回戦では城西大城西にも完勝してみせた。東西東京の実力私学を次々と撃破した力は本物か。準々決勝・日大鶴ヶ丘戦では、2年生左腕・内田開音が7回までノーヒットピッチングを続けて5対1とリード。しかし、終盤に甘さがみえて、8回にまさかの7失点。6対8で敗れる結果となった。原主将は「勝ちきれなかったのは自分たちに甘さがあったから。自分たちの世代は期待してもらいながらも結果を残せていないので、最後の夏にすべてを懸けたい」と夏へ向かう。今年のチームスローガンは「闘」。選手たちは、甲子園という目標へ向かって、魂をむき出しにして闘い続ける。