春季関東大会で経験値を積む
手綱を締めて東東京大会へ

 春季都大会を制した東亜学園が関東大会へ出場し2回戦(初戦)で桐生第一と対戦した。延長タイブレークでの惜敗となったが夏に向けて良い教訓になったのは間違いない。

■「負けないチーム」で都制覇

東亜学園は、春季都大会2回戦で関東一を撃破して勢いに乗ると、創価、国学院久我山、八王子などに勝利して決勝へ進出。春頂点をかけた戦いでも堅実な野球を遂行して東海大菅生に7対1で勝ち切った。左腕エース佐々木俊を軸にした守備型のチーム。佐々木は135キロのストレートとスライダー、スプリットを駆使して着実にアウトを重ねる実戦派。打撃陣は、大砲はいないが全員がバットを短く持ってセンター返しを徹底。犠打でランナーを進めると少ないチャンスを得点へつなげた。派手さはないが、全員が役割を遂行した。武田朝彦監督は「負けないチーム」を作り上げて、春季都大会初優勝をつかみ取った。

■夏に向けての予行演習

 自分たちの野球がどれだけ通用するか。強豪が集まる関東大会は“腕試しの場”となった。2回戦の相手は、群馬県2位の桐生第一で1999年に全国制覇を果たした伝統校。絶対エース佐々木が3回までに5失点を喫する想定外の状況となった。しかし、4回に4点を奪って同点に追いつき、ゲームは終盤へ。6対6で延長タイブレークに突入すると10回表に3点を奪って勝利が近づいたかに見えた。だが、リリーフが耐えられず4点を奪われて9対10のほろ苦いサヨナラ負け。手応えと課題を持ち帰ってきた。「リードを許した場合の戦い」、「ゲームの締め方」など夏に向けての予行演習となった。
 東亜学園は手綱を締め直して、東東京大会開幕を待つ。スローガンは「全力疾走」。「それぞれが役割を果たすだけ」(山下海龍主将)。自分たちの野球を遂行した先に勝利がある。

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