春夏6度甲子園出場を誇る伝統校
「期待の世代」が1年生大会で成果
伝統校・前橋が1年生強化試合(若駒杯)で準優勝となった。若き選手たちの躍進は、伝統復活の一歩となる
■1年生17人が加入し伝統復活へ
春夏6度甲子園出場を誇る伝統校。1978年の選抜1回戦・比叡山戦では、松本稔氏(現桐生監督)が史上初の完全試合を達成。2002年には小暮直哉氏(現前橋東監督)を擁して選抜切符をつかんだ。2002年春以来、甲子園からは遠ざかっているものの伝統の力を宿している。2019年からはOB濱田豪監督が指揮を執り、同じくOBの中島拓郎部長との二人三脚で伝統復活のルートを探る。近年の最高成績は2016年春のベスト4。昨今は部員が減少傾向にあったが今年度春には17人の1年生が加入。2024年秋大会では2回戦で敗れたが、1年生が経験を積むなど活気が戻っていた。
■伝統を背負う選手が実力発揮
期待を背負う選手たちは若駒杯で実力を示した。地区予選を突破すると、初戦となった準決勝で桐生相手に初回に4点を奪って主導権を奪うと10対1で完勝して決勝戦へ進出した。決勝戦ではエース⻆田楓雅が先発し、威力あるストレートを武器に前橋育英打線に対峙。2回にミス絡みで1失点したものの、安定したピッチングで5回まで0対1でゲームを進めた。打撃陣は、久保田琉稀、⻆田、山田直希の上位陣がチャンスメークし、4番キャッチャーの伊藤博紀に回す攻撃スタイル。準決勝では打線が活性したが、決勝では相手投手に抑え込まれて得点が奪えない。それでも5回まで僅差で耐えて、優勝への執念をみせた。1年生大会では頂点に届かなかったが、若駒進撃からは伝統復活の胎動が聞こえてきた。
Pick up/⻆田 楓雅(1年=投手)
安定したフォームから低めを突く実戦派右腕。打撃では攻撃的2番として得点に絡む