
春夏計10度甲子園出場を果たした伝統校
侍ジャパン監督から届いたユニホームで勝負
堀越は春夏計10度の甲子園出場を果たし多くのプロ野球選手を輩出してきた。昨秋からはOB指揮官が就任し復活の礎が築かれている。チームは1997年夏以来、28年ぶりの甲子園を目指す。
■OB井端弘和氏が練習着を贈呈
堀越は昨秋に、OBの野口晃生監督が就任した。高校2年の1993年に甲子園出場を果たした「堀越黄金時代」のメンバーの一人で、1学年上には井端弘和氏(元中日、巨人=現在・侍ジャパン監督)が在籍していた。OB会長を務めていた井端氏は、後輩・野口監督の母校での船出にあたって、選手・スタッフ全員分の練習試合ユニホームをプレゼント。選手たちは堀越レジェンドから届いたユニホームで練習試合を戦うほか、公式戦前のアップ時に着用。伝統の重みを感じると共に感謝の心を持ちながら試合に臨んでいる。野口監督は「後輩たちの応援をしてもらえることに対して感謝しかない。恩返しの意味でも良い結果を届けていきたい」と引き締める。
■東東京のライバルに勝つために
2024年春は1回戦で青山学院、2回戦で錦城学園に勝利し、3回戦で明大中野と対戦したが7対9で競り負けた。勢いに乗った明大中野は春準優勝となった。野口監督の夏初陣となった東東京大会は、3回戦で城東と戦いシーソーゲームの展開の中、7回時点で5対4とリードしたが、8回に夏独特の雰囲気に飲まれて5失点し6対9で屈した。東東京のライバルチームを前に、自分たちの力のすべてを発揮できなかった。佐藤颯馬主将(2年=内野手)は「城東戦は終盤に相手の応援が盛り上がる中で流れを持っていかれてしまった。普段から1点の重みを感じて練習に取り組んでいかなければいけない」と話す。東東京を勝ち抜くために心技体を磨く。
■新たなチーム目標は「全国制覇」
新チームの始動時には全体ミーティングで新たな目標を設定した。それまでは「甲子園出場」だったが、そこがゴールではない。選手たちは「全国制覇」を目標と定めてスタートを切った。昨夏も背番号1を任された最速138キロのエース西川瑠按(2年)は「背番号1の責任を感じながら投げていく。全国制覇という高い目標に向かってチーム一丸で努力していく」と力を込める。打線は、平子太一(2年=外野手・投手)、綱川陽(2年=内野手)、大川己海(2年=外野手)のクリーンアップが力強い打球を放つ。さらに平子はサウスポー投手としても140キロ超を目指すなど投打のポテンシャルを秘める。二刀流・平子は「個人としてもチームとしてもレベルアップして夏甲子園出場を果たしたい」と夢を追う。伝統校は、OB指揮官のもと復活を期す。
