選抜1回戦で柳ケ浦に勝利し2回戦進出
甲子園で「ワンプレー」の難しさ痛感

昨秋の都大会決勝で執念の勝利を奪い、今春の選抜出場を果たした二松学舎大附。甲子園でも粘りの戦いをみせて価値ある1勝を挙げた。

■静かなる野心を胸に聖地へ

二松学舎大附は昨秋の都大会で一戦ごとに進化をみせると、日大三、帝京、早稲田実の強豪を撃破し東京の頂点に立った。決勝・早稲田実戦では序盤、リードを許しながらも終盤に追いつき、延長タイブレークの激闘を制して選抜出場を当確にした。今季の二松学舎大附は、エース及川翔伍、2番手・河内紬を軸にした投手陣に加えて、1番ショートで攻守の要・入山唯斗、世代屈指の強肩強打捕手・永尾愛蓮らタレントが揃い、選抜優勝候補の一角に挙げられていた。狙うは「全国制覇」。士気上がるチームは、静かなる野心を胸に聖地に立った。

■2回戦で東北の雄・花巻東と対戦

組み合わせ抽選で、二松学舎大附は開幕カードを引き当てた。開会式の興奮冷めやらぬ甲子園を舞台に、選手たちが躍動した。1回戦・柳ケ浦戦は、河内が先発し最速143キロのキレのあるストレートを軸にゲームを作っていった。ゲームは投手戦となる中、1対1で迎えた6回には入山のタイムリー二塁打で勝ち越しに成功。河内が8回途中、被安打5奪三振2のピッチングで及川につなぐと、エースが相手の攻撃の芽を摘み取り、きっちりと締めて3対1で勝ち切った。攻守の歯車が噛み合った会心の勝利だった。そして2回戦では、東北の雄・花巻東と対峙することになった。

■永尾の2ランで反撃も力及ばず

花巻東戦でも河内が先発のマウンドに立ったが、強力打線にタイムリーを許して5回までに0対4と劣勢になった。だが二松学舎大附が7回に逆襲を開始。永尾がレフトスタンドに打ち込む2ランを放って反撃の狼煙を上げると、さらに1点を加えて3対4と1点差に迫った。逆転の二松学舎大附。反撃ムードが高まったが、8回に守備のミス絡みで相手に追加点を許し、3対6のまま力尽きてしまった。守備のワンプレーが流れを断ち切る結果になった。市原勝人監督は「四球とエラーがあると、こういう展開になる。バッテリーも弱気になったところがある。(2回戦敗退となったが)このチームにはもっと力があるはずだ、という感じはしている」と振り返った。選抜は進化の過程。甲子園で課題と収穫を持ち帰った二松学舎大附は、一度リセットし、投打のスケールアップを視野に入れて夏へ向かう。

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