準決勝で横浜に敗れて無念の敗退
下重、石垣ら投手陣、雪辱誓う

健大高崎が準決勝で優勝校・横浜に1対5で敗れてベスト4で春を終えた。初戦・明徳義塾戦を乗り越えて順調にベスト8まで進出。最難関だった横浜戦で勝てれば連覇に近づいたが無念の敗戦となった。

■初戦・明徳義塾戦で快勝

初戦を乗り越えたことでチームは勢いづいた。生方啓介部長(ヘッドコーチ)は大会抽選前に「初戦の入りがすべて」と話していたが、初戦の相手は、名将・馬淵史郎監督率いる明徳義塾。決して組みやすい相手ではなかった中で、エース石垣元気が大会前に左脇腹を負傷するスクランブル。馬淵監督が「石垣は投げないほうがいい」などと舌戦を仕掛けてきた状況で、左腕・下重賢慎が先発し意地のピッチングをみせた。ゲームは1対1のまま延長タイブレークへ突入。10回表に栗原朋希のタイムリーなどで勝ち越すと、下重が10回裏を締めて雄叫びを上げた。

■準々決勝は山田、島田が好投

2回戦・敦賀気比戦は下重が先発し、4対3で迎えた9回2死にエース石垣へスイッチ。負傷明けの石垣は、最速153キロのストレートを含む5球すべてで150キロ超をマーク。相手打者を打ち取って“炎のストッパー”のタスクを果たした。チームにとって価値があったのは準々決勝・花巻東戦。準決勝、決勝を見据えて、山田遼太が先発し5回1失点の好投、2番手の島田大翔も快投をみせて最後は石垣につなぐ投手リレーで、強打の花巻東を封じた。攻撃では打線が16安打9得点でリードを広げて9対1で勝ち切った。3、4番手投手の好投によって、下重は万全の状態で準決勝へ臨むことができた。

■横浜相手に真っ向勝負も力及ばす

準決勝は事実上の決勝戦だったと言える。横浜は、昨秋の関東大会決勝で敗れた相手。選抜連覇を成し遂げるには、倒さなければいけない難敵だった。健大高崎は1回表のチャンスを活かせずに0点で終えると、その裏に1点を奪われ、3回にも1失点した。これ以上の失点は避けなければいけない。5回から石垣をマウンドに送ったが、横浜は石垣のストレートを狙い打ち。その回にさらに3点を失い0対5となってしまった。健大高崎は9回に執念の1点を返したが、反撃もそこまで。準決勝で無情の敗戦となった。真っ向勝負を挑んだ健大高崎・青栁博文監督は「横浜との力の差を思い知らされた。連覇するには力が足りなかった」と敗戦を受け止めた。選抜は終わったが、健大高崎の戦いはまだ終わっていない。選手たちは今夏にもう一度この場所へ戻り、頂点を目指す。

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