
3度の甲子園出場を誇る伝統校
ドラフト候補エース住を軸に頂点へ
3度の夏甲子園出場実績を持つ日大鶴ヶ丘。投打のポテンシャルを秘めるチームは11年ぶりの甲子園を目指して今夏の西東京大会へ出陣する。
■“地元出身選手”が結束
日大鶴ヶ丘は1990、2008、2014年夏に3度の甲子園出場を成し遂げている。2014年以来、甲子園切符をつかむことができていないが、2018、2023年には西東京大会の決勝へ進出し甲子園まで“あと1勝”に迫っている。西東京では、全国から選手が集まる早稲田実、日大三、東海大菅生が昨今の甲子園出場を果たしているが、選手寮を持たない日大鶴ヶ丘は“地元出身選手”によって聖地を目指す。最速140キロ右腕・小林駿斗は「甲子園は子どもの頃からの憧れの場所。一緒に努力してきた仲間たちと一緒に、甲子園でプレーしたい」と夏開幕を待つ。
■“雑草”らしく、泥臭く
チームを率いるのは萩生田博美監督だ。2008、2014年にチームを甲子園へ導いた指揮官は投手育成に定評があり、赤星優志(日大―巨人)、勝又温史(高卒DeNA)をプロへ送り出している。選手たちは練習グラウンドで切磋琢磨しながら進化を遂げていく。昨秋には走攻守3拍子揃った外野手・小針大輝がDeNAから育成1位指名を受けて入団している。萩生田監督は「選手たちは最後の瞬間まで成長していく。選手たちの成長の芽をつまないことが大切。うちの選手にエリートはいない。“雑草”らしく、泥臭く戦っていく」と語っている。
■ 「主体性と自覚」がテーマ
今年のチームは、ドラフト候補左腕・住日翔夢主将(3年)が軸となり、チーム一丸で甲子園出場を狙う。最速143キロの世代屈指のサウスポー住は、質の高い変化球を武器にしてテンポ良いピッチングで相手を打ち取っていく。住が主将を務めているが、ピッチングメニューをこなすため日々のグラウンドでは昆友樹(3年=外野手)が「練習キャプテン」としてチームをまとめている。今春大会では4回戦で帝京に屈しベスト16だったが、投打のポテンシャルは西東京屈指。チームは「主体性と自覚」をテーマにして夏へのラストスパートをかけていく。目指すべき形は、きれいな勝利ではなく、相手が嫌がる戦いを実践しての泥臭い勝利。住主将は「どんな相手でも泥臭く勝ち切って甲子園へいきたい」と気持ちを高める。2014年以来11年ぶりの甲子園へ、選手たちは碧き空へ羽ばたいていく。