2022年1月の選抜選考から3年が経過
同じ気持ち、同じ情熱でグラウンドに立つ

2022年春の選抜大会21世紀枠候補となり甲子園に迫った太田。選抜切符は届かなかったが今も甲子園への飽くなきチャレンジは続いている。

■甲子園に一番近づいた瞬間

 今年も“あの時期”が迫っている。日本高野連は毎年1月下旬に選抜大会選考委員会を実施し出場チームを発表する。太田は2021年春・夏ベスト4、秋ベスト8などの実績が評価されて21世紀枠県推薦校になると、関東・東京地区の候補に選出され、群馬県勢初の21世紀枠選出は選考委員会のジャッジに委ねられた。3年前の1月28日、岡田友希監督、そして選手たちは期待と不安の中で吉報を待っていた。文武両道進学校の実績が評価されていたため選抜出場の期待が高まったが、惜しくも選外。初の甲子園出場の夢は叶わなかった。岡田監督は「甲子園をイメージして練習できたことは、幸せな時間だった」と声を震わせた。

■太田で甲子園に出ることに価値

2024年12月末、岡田監督は練習場で選抜選考当時を振り返った。母校を率いての甲子園出場を夢見た指揮官は「この時期になると、あの年の選考当日を思い出す。21世紀枠の9校に残って最後のステージまで辿り着いたものの吉報は来なかった。果たして、甲子園が見えていたのか、見えていなかったのか。遠かったのか、遠くなかったのか…。選手たちは毎年変わっていくが、選手たちのためにも、母校での甲子園出場はあきらめてはいないし、あきらめてはいけないと思う」と気持ちを込めた。同じ気持ち、同じ情熱でグラウンドに立つ。現2年生は、あの選抜選考から1年後の2023年春に入学してきた選手たち。岩見悠生主将(2年=外野手)は「甲子園は憧れの舞台。太田高校で甲子園出場を果たすことに価値があると思う。自分たちの代で夢を実現したい」と練習に励む。

■「つながりノート」で意見を共有

3年生の昨季チームは、秋、春ベスト8、夏はベスト16。新チームの秋大会は初戦敗退だったが雪辱を期す。2025年夏に照準を定めるチームは、岩見主将、石川皓士副将(2年=内野手)、鈴木敦樹副将(2年=内野手)が打線の軸となり、攻守に個性を持ったプレーヤーたちが揃っている。投手陣は威力あるストレートを投じる右腕・内藤万翔(2年)をエース格にして、タイプの違うピッチャーでゲームを締めていく。選手たちは、個人で「野球ノート」を記すほかに、チームを4つに分けて各班で意見を共有する「つながりノート」を記入している。石川副将は「つながりノートは、チームに対しての提案や気づいたことを記す場所。みんなの意見を見ることでそれぞれの考えが分かり、チームを良い方向へ進めることができる」と説明する。21世紀枠選考から3年、チームは確実に成長している。選手たちは甲子園出場のチャンスを虎視眈々と狙っていく。

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