フィジカル強化で2年連続春県出場
集中力を武器に1971年以来の甲子園へ

2年連続で春県大会出場を決めた静岡学園。冬トレで心技体を強化したチームは1971年以来の夏甲子園へ突き進む。(取材・栗山司)

■春は2年連続県出場!

今春は苦しみながら、2年連続で県大会出場を決めた。県代表決定戦では静岡商と対戦。2点をリードした9回裏に3点を許してサヨナラ負けを喫した。試合後、学校に戻ると、選手たちだけでミーティングを行い、「気持ちを切り替えよう」と話し合った。
 翌日の敗者復活戦(対静岡市立)も接戦となった。両チーム無得点で迎えた6回にスクイズで先制。7回には2死二塁のチャンスから勝俣塁登(3年=外野手)のセンター前タイムリーで2点目を挙げた。投げては中山直央翔、岩田葵(ともに3年)のリレーで相手打線を1点に抑えた。目標に向けての第一関門を突破し、選手たちは胸をなでおろした。

■豊富な練習量でパワーアップ

2023年9月より指揮をとる長谷川直樹監督のもと、徐々にステップアップしている。昨年の秋は県大会で2勝を飾ってベスト16入り。上位を伺える位置まで食い込み、自信を掴んだ。一方でベスト8をかけた3回戦で桐陽にコールド負け。鍛えてきた守備のミスが絡んでの10失点に山田主道主将(3年=内野手)は「自分たちの野球が上手くできずに悔しかったです」と振り返る。
 その後、チームは新たに目標をベスト8に設定した。もう一段階上のステージへ。冬場はトレーニングに力を入れた。長谷川監督がテーマにしたのは苦しい場面をどう乗り越えるのか。「前年の約3倍の練習量だったが、みんなで励まし合いながら乗り越えてくれた」。ウエイトトレーニングに加え、アメリカンノックで追い込んだ。また、選手のモチベーションを高めるために1か月半ごとに筋力の数値を測定。確実に上がってきていることを確認して、シーズンに突入していった。

■OBのプロ入りも刺激に

静岡学園は守備からリズムを作る野球だ。投手陣は前チームから主戦を任された中山に、速球派の岩田も台頭。2年生の義朝綾人も伸び、充実している。一方で打線は機動力を絡めながら得点を奪っていく。
 そんな今年のチームは結束力の強さも際立つ。「メンバーもメンバー外も関係なく、なんでも言い合える仲で信頼関係が強いです」と山田主将。練習中には選手同士で集まり、気になった箇所を共有し合って、レベルアップに繋げている。
 さらに、チームにとって大きな刺激となる出来事があった。昨年のドラフトでOBの宮原駿介(東海大静岡キャンパス)が巨人からドラフト5位で指名された。12月21日にOB会主催で行われた激励会には、現役の選手も出席し、宮原の門出を祝福した。山田は「すごく体ががっちりとしていました。自分たちも頑張ろうと思いました」と発奮材料となった。
 ベスト8進出、さらには1971年以来の甲子園に向けて突き進む。

おすすめの記事