
2025年ドラフト候補Interview
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
健大高崎〈群馬〉
石垣 元気(3年=投手)
最速158キロのドラフト1位候補
日米球団が獲得に関心を示す剛腕
最速158キロのストレートを投げ込む本格化右腕・石垣元気(健大高崎)。今夏の甲子園後にU18日本代表に選出された剛腕は、9月中旬にプロ志望届を提出した。それを受けてNPB全12球団が入団調査書を届けたほか、メジャーリーグのドジャーズ、ヤンキースなども獲得に興味を示す。10月23日のプロ野球ドラフト会議で1位指名が確実視される石垣が、ドラフト前の心境を語る。(2025年10月10日掲載)
■U18日本代表の舞台から大きな刺激
―全国高校野球選手権(夏の甲子園)が終わったあとのスケジュールは?
「一度、地元の北海道に帰省してゆっくりしていました。そこでU18日本代表選出の知らせを聞いたので、すぐに群馬に戻ってきてジャパンに合流して沖縄へ向かいました」
―U18日本代表でのワールドカップは世界各国と戦って準優勝でした。
「予選ラウンドを通過して決勝トーナメントを勝ち上がりました。決勝ではアメリカに負けて準優勝だったのですが、世界のレベルを知ることができました。これまでの野球人生で一番高いレベルでプレーした充実感がありました。小倉全由監督は『オールジャパンのプライドを示そう』と伝えてくれていましたが、自分自身、ジャパンのユニホームを着るのは初めての経験だったので最高の経験になりました」
―U18日本代表のメンバーはどんな仲間でしたか?
「高校野球を代表する同世代の選手と同じチームでプレーできたことは大きな刺激になりました。健大高崎は自分たちの代で横浜高に2度負けたのですが、主将・阿部葉太選手や奥村頼人投手の技術の高さやメンタルの強さは、同じチームとして頼もしかったです。また創成館高(長崎)の森下翔太投手のストレートは伸びがすごくて、投げ方などを参考にさせてもらいました」
■良い形で高校野球を締めくくれた
―健大高崎として出場した夏の甲子園・京都国際戦(3対6)を振り返って?
「チームが負けている状況での登板で、自分は7、8回の2イニングしか投げられなかったので心残りがあったのは確かです。自分の場合は甲子園のあとにU18日本代表があったので良い形で高校野球を締めくくれたと感じています。チームメイトの下重(賢慎)と一緒に、健大高崎を代表してプレーしてきたつもりです」
―京都国際戦では甲子園最速タイの155キロをマークしました。
「自分のピッチングで流れを変えたいと思っていたので、自然と気持ちが入りました。一球ごとに歓声が聞こえたので、甲子園のマウンドが自分の力を引き出してくれたと思います。欲を言えば、もっと多くの試合で投げたかったです。初戦の京都国際戦に負けた直後は、悔しさと心残りが大きくて、涙を流すことはありませんでした。試合後には佐藤龍月とキャッチボールをしたのですが、彼とはずっと一緒に努力してきたので感謝の気持ちでいっぱいでした」
■プロ野球志望届提出後に面談開始
―9月18日に石垣選手の「プロ野球志望届」提出が公示されました。
「自分はずっとプロ志望で、U18日本代表遠征後に志望届を提出することが決まっていました。書類には名前を書くだけの事務的な手続きでしたが、ドラフト会議へ向けて気持ちが高まってきました。小さい頃からの夢だったプロ野球に一歩、近づいた印象です」
―志望届提出後には、プロ球団との面談がスタートしました。
「スカウトの方との面談は、試合とは違った緊張感があります(笑)。これまでの野球キャリアなどについての質問をいただくのですが、自分は話すのがあまり得意ではないので、しっかりと答えられるように努力しているつもりです。球団の方には、練習環境などについて教えてもらっています」
―日本のプロ球団のほかドジャース、ヤンキースなど、メジャーも関心を持っていると聞きました。
「前提として、高校からメジャーは考えていないので、自分はドラフトで指名してもらった日本のプロ球団に入団するつもりです。将来的にチャンスがあればメジャーでプレーしたいと思いますが、まずは日本で結果を残さなければいけません。メジャー球団については、青栁監督からの助言を受けて数球団と面談をさせてもらい、現地の環境やトレーニング施設などについて説明を受けました」
―ドラフト会議直前の心境は?
「夢への第一歩なので、楽しみしかないです。ドラフトがプロへのスタートラインかなと思っています。高校野球生活を振り返ると、やっぱり健大高崎に来て多くの経験をさせてもらったので、本当に良かったと考えています。健大高崎というチームで学んだことを生かして、日本を代表するピッチャーになりたいと思います」
PROFILE
石垣元気(いしがき・げんき)
2007年8月16日北海道生まれ。洞爺湖シニアから健大高崎へ進学。高校2年春には選抜優勝、高校3年春には選抜ベスト4。2025年夏甲子園後にはU18日本代表に選出。高校2年秋の関東大会、U18ワールドカップで最速158キロをマーク。高校3年春夏には甲子園史上最速タイの155キロを計測。







