
市立前橋
2009年夏のベスト4進出の実績が光る
昨夏の3年ぶり勝利がチームを変えた
2025年夏に3年ぶりの1勝、同年秋に2勝を挙げた市立前橋。野球が好きな選手が集まり、再び活気が戻ってきたチームが、新たな文化を作り出そうとしている。
■大きな価値ある夏の1勝
市立前橋は2009年夏に4回戦で前橋育英を撃破、準々決勝で太田に勝利し準決勝へ進出した実績を持つ。2010、2012年夏には4回戦へ進出するなど力を維持したが、以降は3回戦が最高となっていた。コロナ禍を挟んで部員がじわじわと減少し、2024年秋は前橋西、利根実、尾瀬との連合チームで大会に出場しタスキをつないだ。2025年の3年生2人(夏で引退)は入学以来、公式戦で勝利を味わったことがなかった。しかし彼らはあきらめなかった。昨夏は1回戦で太田工に4対3の逆転劇で勝ち切り、3年ぶりの夏勝利をつかみ取った。それは単なる1勝ではなかった。
■2025年に11人の1年生が加入
選手たちの背中を押すのは新保啓介監督だ。桐生、渋川で顧問を務めたのちに伊勢崎監督、太田東部長を経て2023年度に市立前橋へやってきた。その秋から監督となったが部員が8人だったため秋大会には他部活から助っ人を借りて単独出場。その翌年は連合チームでの戦いとなったが、選手たちの情熱の火種は消えなかった。新保監督は就任以降、市内外の中学野球大会に何度も足を運んで、「市立前橋」というチームの存在を中学関係者らに伝えてきた。そして2025年春には、市選抜選手を含む11人の1年生が加入しチーム基盤ができあがった。指揮官は「選手たちが作ろうとするチームの形を、指導陣が読み取ってサポートするようにしている。夏1勝がチームを変えたと思う」と語る。
■全員で切磋琢磨するチーム
3年生の思いを継承した2年生6人、1年生11人の選手たちは、秋大会1回戦で連合チームに10対3で勝ち秋7年ぶりの勝利。続く2回戦では群馬高専に8対2で競り勝ち3回戦に駒を進めた。前橋東と対戦したチームは2回に3失点こそしたが、2番手の一場瑛太(1年)が好投して粘り強い戦いをみせた。1対4で迎えた9回には1点を返して2点差に迫り意地をみせたが2対4での惜敗となった。春・夏につながるゲームだった。チームには野球未経験選手もいるが全員で切磋琢磨。中学時代に剣道で県大会優勝の小堀瑞葵(2年)は、市立前橋で高校野球に挑戦。弛まぬ努力でレギュラー獲得も見えてきたという。比田井成生主将(2年=中堅手)は「学年や経験に関係なく、全員で助け合いながら頑張れるのがチームの強み。みんなの力を合わせて夏のベスト16以上を目指したい」と力を込める。市立前橋は、全員野球の魅力を体現していく。





