5年ぶりの甲子園で縦縞のプライド誇示
プロ注目の大型左腕藤田を軸にベスト8進出
神奈川の覇者・東海大相模が5年ぶりの甲子園でベスト8へ進出した。昨夏の慶応義塾に続き2年連続神奈川勢全国制覇は果たせなかったが、大舞台で熱き戦いを演じた。
■投打のバランスが整ったチーム
東海大相模は今夏の神奈川大会決勝でライバル横浜に逆転勝利して5年ぶり12回目の甲子園出場を果たした。2021年秋の原俊介監督就任以来、初の甲子園となった。神奈川の頂点に立ったチームは、プロ注目の大型サウスポー藤田琉生、2年生豪腕・福田拓翔の投手陣をチームベースにして、中村龍之介、金本貫汰の2年生クリーンアップ、神奈川大会打率.636の才田和空、攻守の要・木村海達主将ら打撃陣が得点に絡む。投打のバランスが整ったチームは甲子園で勝ち上がれる力を秘めていた。
■準々決勝で関東一に惜敗
初戦(2回戦)の相手は、富山商だった。エース藤田が7回13奪三振の快投をみせると打線が着実に得点を重ねていく。8回からは福田へとつないで2投手で計16奪三振の完封リレーによって4対0で勝利した。3回戦の相手は、優勝候補の広陵(広島)。エース藤田が6回2安打のピッチングをみせると打線が5、6回に各3点ずつを奪ってリードを広げた。中村の4安打4打点の活躍などで8対1と快勝しベスト8へ駒を進めた。
準々決勝の相手は、同じ関東地区の関東一(東東京)となった。互いに高い投手力を備えたチーム同士の対戦は1点を争う展開。エース藤田が粘りのピッチングをみせたが7回に相手主砲・高橋徹平にソロ本塁打を打たれて先制を許した。0対2で迎えた9回裏に1点を奪って、さらに同点、逆転を狙ったが打線が援護できず1対2の惜敗となった。
■「全国制覇」を目指して立ち上がる
甲子園では完全燃焼だった。原監督は「先制点が取れなかった。頂点は近いようで遠かった」と語った。最終的に関東一は準優勝となったが、東海大相模にも決勝進出に匹敵する力はあった。ただ、1点が遠かった。今夏の甲子園は、低反発バットの影響もあり大会終盤は接戦の連続。攻守の課題を持ち帰った東海大相模は、再び神奈川の地から「全国制覇」を目指して立ち上がる。大会後、エース藤田はU18日本代表に選出された。