【法政大高 野球部】「新時代」 #法政大高

伝統と変革、青年監督の下で“日々成長”を目指す

通算4度の甲子園出場を誇る名門・法政大高。2020年1月に就任した佐相健斗監督とともに新たな挑戦が始まった。(取材・三和直樹)

■新たな体制、新たな手法で

「大会で勝つのはやはり大変ですね」。
人工芝のグラウンドに響く打球音と掛け声を背に、30歳の指揮官は遠慮がちに笑う。それでも内に秘めるものは、熱い。「強豪校をどうやって倒すか。それを考えながら毎日を過ごすのは、すごく楽しい」。選手たちとともに汗を流しながら、練習の意図を丁寧に説明。植月文隆前監督から昨年1月にチームを引き継いだ佐相新監督は、新たな挑戦の日々に目を輝かせている。

想定外ではあった。監督就任直後にコロナ禍に見舞われ、練習すらできない日々が続いた。実戦練習が限られた昨夏は1回戦で敗退し、昨秋は1次予選代表決定戦で堀越に完敗した。しかし、今夏は成瀬、成城学園に勝利し4回戦へ進出。新チームとなって迎えた今秋も1次予選2試合(富士、鷺宮)に快勝して本大会に駒を進めた。

選手に伝えているのは「自分自身を客観視すること」。コロナ禍で恒例となったZoomミーティングでは毎回、議長交代制でテーマを設定して討論。グループLINE上での「動画スイングチェック」では、監督だけでなく部員全員がチェックしてコメント送信。「今の時代、選手を従わせる方法では難しい。選手たち自身が納得した上で取り組まないと成果が出ない」。頭髪も自由にした上で、野球に対する「熱量」と「自立心」を求めている。

■経験値の高いチーム、さらなる「進化」を

前チームのレギュラー陣が多く残った現チームへの期待は高い。1番ショートの福井永世主将(2年=内野手)がチャンスを作り、3番・本宮拓朗(2年=外野手)、4番・豊田明平(2年=内野手)、荒居進志郎(1年=外野手)の中軸で走者を還す。主戦投手は、右腕の篠えい太(1年)が力を伸ばす。佐相監督は「前チームから内野手が全員残ったので、より細かい野球、もう少し上の野球を追求できる」と手応えをつかむ。今秋の本大会は1回戦で豊南に4対5と惜敗したが、来夏へ向けた「進化」へ向けてチームは一致団結している。

グラウンドは中学野球部と共用。内野一面ほどの大きさしか使えない日も多く、緊急事態宣言中は週3日の練習に制限された。それでも、「今日やるべきことをしっかりと持ってグラウンドに入る。そして集中力を持って練習に取り組む。しっかりと自分自身と向き合ってもらいたい」と佐相監督。県相模原(神奈川)の野球部監督である父・真澄の背中を追いながら、「理想は打ち勝つ野球。試合の中で成長できるチームを目指したい。この野球部に新しい風を吹かせたい」と“未来”を語る。伝統のある野球部が、30歳となった青年監督の下で今後、どのように進化して行くのか。すでに、その幕は上がっている。

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