2017年夏ベスト4進出から4年
コロナ禍でも強くなる選手たち
2017年夏にベスト4へ進出するなど戦国・神奈川で存在感を示す日大。コロナ禍で時間に制限がある中、「負けない野球」を掲げて神奈川のトーナメントへ挑む。
■打倒・東海大相模
4月1日、甲子園では選抜大会決勝・東海大相模対明豊が行われていた。2対2で9回まで進んだ緊迫したゲームは、東海大相模が9回裏にサヨナラ勝ち。全国制覇を成し遂げた。日大の選手たちは同日、学校グラウンドで練習していた。全体トレーニング後に選手たちはスマホなどで決勝結果を確認、「東海大相模優勝」を知った。
主砲の佐久間雄英(3年=内野手)は「僕らの目標は、日本一。(神奈川で)東海大相模を倒せば、甲子園でも勝てるということなので、打倒相模で努力していきたい」と士気を高めた。同県のライバルである東海大相模の全国制覇を祝福しながらも、それを自分たちの力に変換していった。日大は、強い気持ちで春、夏へと向かっていく。
■「心」と「体」のミーティング
この冬は、「心」と「体」を鍛えた。コロナ禍でのトレーニング。伊藤謙吾監督は、体力づくりと、心の成長を促していった。指揮官は今年1月の初練習でミーティングを実施した。例年はグラウンドに飛び出していくが、選手たちと向き合い、じっくりと話し合ったという。伊藤監督は「新3年生は最初の1年間で普通の練習ができていたので心技体のベースができていたが、新2年生は入学時期からコロナで年間の半分も練習できていなかった。心の成長のためにも、ミーティングに時間を使うことが必要だと思った」と意図を明かす。選手としての自覚、チームの方向性を再確認した選手たちは、制限下の練習でも進化を遂げていった。
指揮官は「コロナで練習時間が短くなっても大会はやってくる。練習できない時間も、成長につなげる工夫をしなければいけない」と話す。日大は意識改革を実行した。
■自分自身に負けないこと
チームが目指すのは「負けない野球」だ。派手な打ち合いを演じるのではなく、粘り強い戦いで接戦を制す集団を目指す。戦力面では、頼れるリーダー上田恭平主将(3年=外野手)、主砲・佐久間、春予選打率10割のリードオフマン橋本浩平(3年=外野手)らが主軸となり盛り上げていく。
ブルペンでは、エース鈴木貫一郎(3年=投手)、相馬悠明(3年=投手・一塁手)らが球速を伸ばす。上田主将は「『負けない野球』を実戦するには、毎日の練習から自分自身に負けないことが大切。勝負所で力を発揮できるチームになりたい」と、夏を睨む。桜の季節は過ぎたが、日大の“開花”はこれから。灼熱の夏へ向けて、選手たちはさらに強くなっていく。