東京優勝文句なし堂々選出
投打の戦力充実、全国制覇ロックオン
第93回選抜高校野球大会の出場校選考委員会が1月29日に開かれ、秋季都大会優勝の東海大菅生の出場が決まった。6年ぶり4度目の選抜。選抜大会は3月19日に開幕する。
■6年ぶり4度目の選抜出場
文句なしの選出だった。
一昨年1月の選抜出場校選考は、無情の結果だった。2018年の秋季都大会決勝で国士舘に3対4で敗れて準優勝となったチームだが、僅差だったことから関東・東京6枠目の選抜切符が届く可能性が高いと言われていた。しかし、まさかの結果となった。若林弘泰監督は「選抜に行けると信じて練習してきた。悔しいが気持ちを切り替えるしかない」と選手たちに伝えて、練習を再開した。あの屈辱は、チームとして忘れることができない。東京から、選抜に行くには勝ち続けるしかない。東海大菅生は昨夏の独自西東京大会、東西決戦で勝ち、夏を制覇。昨夏を経験した選手たちが多く残ったチームは、秋季都大会の準々決勝以降で日大二、関東一、日大三を下して優勝。昨夏から15連勝で、秋の優勝旗を手にした。
無敵。東京の頂点に立ったチームの道を塞ぐ者は、もういなかった。
■見えない敵との戦い
戦う相手は、対戦チームだけではない。コロナという見えない敵とも戦っていく必要がある。部員約70人のほとんどはコロナ禍での選手寮生活。日曜日は外食が許されていたが、外出や保護者との面会を中止して、学校、グラウンド、選手寮の往復だけの毎日。選手たちは、選抜のために準備を進めていく。
東海大菅生はこれまでに3度、選抜に出場したが、いずれも初戦敗退。若林監督就任後、初の甲子園となった2015年春は大阪桐蔭に0対8で敗れた。今回は、左腕エース本田峻也、1年生捕手・福原聖矢のバッテリーを軸に、選抜初勝利、そして全国制覇を視野に入れる。チームは昨秋から全体の底上げが進み、各ポジションで競争が激化。選抜メンバーを絞るのに難儀している状態という。
無敵艦隊・東海大菅生が選抜でどんな戦いをみせてくれるか。選抜は、東京の誇りを示す場だ。
コロナ禍で野球ができることに感謝 榮塁唯主将(2年)
「選抜出場できると信じて練習を積んできたので出場が決まって素直にうれしいです。新チーム始動から良い雰囲気で一丸となって戦えたことが都大会優勝につながったと思います。コロナ禍で野球ができることに感謝し、全力で戦いたいと思います」
東海大菅生・若林弘泰監督
初戦突破から日本一へ
「目標は、選抜に出ることではなく日本一です。日本一の戦力があるかどうかは別にして、東京代表として恥ずかしい試合はできないと思っています。東海大菅生としては4度目の選抜になりますが、選抜では過去に一度も勝つことができていません。まずは初戦突破を目指した上で、勝ち上がっていきたいと思います」