【鹿沼 野球部】 「2年連続夏8強へ」 #鹿沼

昨夏に42年ぶりベスト8
新たな歴史のスタート

伝統校・鹿沼は昨夏に42年ぶりベスト8へ進出した。士気高まるチームは昨秋、中田憲一監督から篠原誠監督へタスキが渡された。新生・鹿沼は新たな体制で2年連続8強を目指す。

■昨夏は準々決勝で佐野日大に惜敗

鹿沼が昨年夏に快進撃をみせた。エース大竹海央(3年)を軸にしたチームは1回戦で矢板、2回戦で足利南、3回戦で幸福の科学学園に勝利し、1979年以来42年ぶりのベスト8進出を果たした。チームの矜持を示したのは準々決勝・佐野日大戦だった。昨春優勝の第1シード相手に、鹿沼は一歩も引かない投手戦を展開していく。長身右腕・露久保璃音が先発しゲームを作ると5回までスコアレスで進む。6回に2失点したが、エース大竹へ継投すると6回裏に1点を返して1対2で終盤へ。鹿沼は決死の戦いをみせたが僅差で涙をのむ結果になった。ベスト4進出は逃したが堂々のベスト8進出で、地域に活力を届けた。2年生レギュラーだった大島心(2年=内野手)は「震えるほど緊張したゲーム。3年生が残してくれた財産を引き継いでいかなければいけないと感じました」と話す。

■石橋出身の若き指揮官

夏大会後、8強進出へ導いた名将・中田監督が勇退し、篠原監督がタスキを受け取ることになった。篠原新監督は、石橋高出身で福島大卒業後に教員の道へ。2020年度まで宇都宮商部長を務めて2021年4月に鹿沼へ異動。初めての指揮を任された。29歳の若き指揮官は、伝統を継承しながら新しいエッセンスをチームに加えている。選手に伝えているのは「できることをやり続けよう」。野球の技術は一朝一夕では向上しないが、意識や声は気持ち次第で改善できる。篠原監督は「迅速な行動や声など出来ることを一つひとつ積み上げていった先に、選手の成長があると考えています」と選手に寄り添う。多彩なトレーニングメニューを取り入れて、基礎強化を図る。グラウンドには、さらなる活気があふれている。

■夏の主力残る2022チーム

今季のチームは、主砲・川俣大輔(2年=内野手)、渡辺翔太主将(2年=外野手)ら昨夏のレギュラー数人が残っている。秋季大会は、1回戦で宇都宮清陵に5対2で勝利し、2回戦は宇都宮短大附と対戦。私学相手に1対8で屈する結果になった。主砲・川俣は「高いレベルのチームに対して、何もすることができませんでした。3年生の戦いから学んだことと冬のトレーニングの成果を春・夏の結果につなげていきたい」と強化に励む。

チームは秋季大会後、1年生右腕・猪瀬寛太、善林俊伍副将(2年=捕手)のバッテリーが安定し、投打の歯車が噛み合うようになってきた。冬のトレーニングで土台を固めて球春に備える。渡辺主将は「2年連続ベスト8を目標に、鹿沼の新しい歴史を作っていきたい」とトレーニングに励む。昨夏42年ぶりに歴史を動かしたチームだが、それは新たな時代の始まり。鹿沼は、真の強さを求めて2022シーズンへ向かっていく。

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