2022年選抜 21世紀枠候補
2021春・夏ベスト4、秋ベスト8
伝統進学校・太田が2021年秋季県大会でベスト8へ進出し21世紀枠県推薦校となり、全国9校の2022年選抜21世紀枠候補に選ばれた。初甲子園への期待が高まってきた。
■DNAが継承されたチーム
太田が、夢の続きを追っている。澤田大和前主将(3年=内野手)、サウスポーエース大舘陽七薫(3年)、糸井達輝(3年=外野手)らを軸にしたチームは2021年春の県大会3回戦で前橋育英を7回コールドの10対3で破り、ベスト4へ進出した。シードで迎えた同夏は準々決勝で樹徳に勝利して2大会連続のベスト4進出。準決勝では前橋育英に1対4で屈したが、堂々の結果を残した。夏大会後に始動した新チームは、小林風斗主将(2年=捕手)、阿部圭汰副将(2年=内野手)のレギュラーが残り、前チームのDNAは継承された。先輩たちの戦いをベンチやスタンドで見ていた若獅子たちは、士気高く、秋のグラウンドへ飛び出していった。
■全員の「まとまり」で勝負
今季のチームは、先輩たちと比較して個人の能力はまだ届かない。しかし、それを補って余りある「まとまり」がある。今隆成副将(2年=外野手)は「先輩たちは野球を本気で楽しんでいた。前チームの良い部分を継承して、自分たちらしい戦いをしていきたい」と大会へ臨んだ。1回戦で館林商工、2回戦で富岡、3回戦で桐生工を下すと準々決勝・健大高崎では、先発の木部広太(1年)がゲームを作り4回までスコアレスで試合を進める。5回に髙柳勇斗(2年=内野手)のタイムリーで1点先取し主導権をつかむかに見えたが、5、6回に健大高崎に長打を許して計6失点。粘り強い戦いをみせたが2対7でゲームを終えた。阿部副将(2年)は「良いゲームはできたかもしれないが結果が大切。勝ちきれるチームにならなければいけない」と振り返った。チームは収穫と課題を感じながら、秋大会を終えた。
■1月28日の選考会で「吉報」待つ
秋季大会へ県ベスト8となった太田は、大会後に21世紀枠県推薦校に選出された。小林主将は「(21世紀枠県推薦校は)自分たちだけの力ではなく、春・夏ベスト4の結果を残した3年生や、OBの方々の功績によって選出されたもの。先輩たちに比べて、自分たちにはまだ足りない部分が多い。推薦を励みにして貪欲な姿勢で野球に向き合いたい」と話した。そして、2022年春の選抜高校野球大会の21世紀枠候補全国9校のうちの1校(関東代表)に選ばれた。21世紀枠は、困難な状況を克服して結果を残し、地域の模範となっているチームが対象。太田は、文武両道を実践しながらベスト8となったことや野球ノートなど選手主体の取り組みなどが評価された。
1月28日の選考会で、候補9校中3校に選抜切符が届くことになる。太田は、1月の初練習で必勝祈願を行い、始動するという。選手たちは、変わらぬ姿勢で練習に励みながら選抜の「吉報」を待つ。創部122年目、その夢が現実になるかもしれない。