横浜 夏・秋連覇
4年ぶり19度目の秋季県大会制覇
主将・緒方を軸に投打の個性を体現
横浜が秋季神奈川県大会決勝戦で慶応義塾に6対3で勝利し、4年ぶり19度目の優勝を果たした。強さと謙虚さを備えたチームは、今夏の神奈川大会に続いて夏・秋2連覇となった。
■2021年春入学のプレーヤーたち
心身ともに「強い横浜」が戻ってきた。横浜・村田浩明監督は、2020年春に県教員(最後は白山高を指揮)を辞職し母校横浜監督に就任。コロナ禍の激動の時間を選手とともに乗り越えて、今年は3年目。いまの2年生は、2021年春入学。村田監督就任後の横浜を“志願”し門を叩いた選手たちだ。 前チームは、主将・玉城陽希(3年=捕手)、中軸の岸本一心(3年=外野手)らが中心となり、一致団結。結束力を武器に夏のトーナメントを駆け上がると、準決勝で立花学園に11対1、決勝では東海大相模に1対0で勝利して、2年連続20回目の甲子園出場を成し遂げた。今夏の甲子園では1回戦で三重(三重)に勝利したが、2回戦で聖光学院(福島)に屈した。
■みんながプレーしやすい環境
新チームの2年生は、昨夏、今夏の甲子園を経験したキーマン緒方漣(2年=内野手)、1年夏からエースを任されるサウスポー主戦・杉山遥希(2年)、萩宗久(2年=外野手)、山﨑隆之介(2年=内野手)ら大舞台でプレーしたプレーヤーが軸となった。そのメンバーに、井上葵來(1年=内野手)、椎木卿五(1年=捕手)、峯大翔(1年=二塁手)ら1年生が加わり、新チームは始動。主将となった緒方は「前チームは3年生たちが引っ張ってくれていた。今秋は1年生も多く若いチームなので、自分たちが引っ張っていく気持ち。1年生のためにも良い雰囲気、ムードを作って、みんながプレーしやすい環境にしていく」とチームをまとめていった。
■夏・秋の連覇は進化の証
秋季県大会は2回戦で小田原、3回戦で金沢、4回戦で武相に勝利してベスト8入り。準々決勝では三浦学苑に22対7で勝利し、準決勝では横浜創学館に11対1と、いずれも5回コールドで完勝した。決勝戦の相手は、慶応義塾となった。先発の杉山が2回までに3失点し、0対3とビハインドからのスタートとなった。横浜は1対3で迎えた5回に、1番・緒方のタイムリー、3番・井上の2点二塁打で逆転に成功。井上は「横浜の中軸を任されることに重みはあるが、誇りが力になっている。(逆転打の時は)うれしさがこみ上げた」と笑顔をみせた。エース杉山が3回以降を無失点で抑えると、8回には8番・峯が2点本塁打を放って勝負を決めた。「打った瞬間、入ったと思った。勝利に貢献できて、うれしかった」(峯)。横浜は6対3で慶応義塾を下して秋の頂点に立った。 指揮官は「(秋の優勝は)引退した3年生が積み上げてくれたものの結果。その中でキャプテンの緒方がチームをまとめてくれた」と優勝を振り返った。村田監督就任から3年目、夏・秋の連覇は、チームの土台が確立されてきた証。選手たちは「結束力」を引き継ぎ、さらなる高みを目指す。横浜完全復活の瞬間は確実に近づいている。