東東京のダークホース的存在
關川ツインズを軸に上位を狙う
東東京のダークホース的存在・駿台学園がブレイク間近だ。強化を図るチームには活気が生まれている。壁を越えれば次の景色が見えてくる。
■“強化”の旗印のもと集まった選手
最近の大会では3回戦以上に進むことができていないが、チーム力は確かに上がっている。今夏は1回戦で葛飾商に勝利すると、2回戦では東海大高輪台と対戦。エース桑島天(3年)があわやノーヒットノーランの1安打ピッチングをみせたが0対1で惜敗。その壁を越えればベスト16、ベスト8進出も夢ではなかった。エース桑島は今秋にプロ志望届を提出し次なるステージを狙う。今年の新チームは、“チーム強化”の旗印のもとに入部してきた選手たち。關川莉久(2年=左翼手)、關川夏生主将(2年=投手)の双子兄弟ら、個性あふれる選手たちが、虎視眈々と上位を狙う。
■新たな歴史を作る覚悟
チームを率いる三角裕監督は東大出身で元東大指揮官。大学卒業後に伊奈学園総合(埼玉県)へ着任し、1990年に選抜甲子園出場を成し遂げた。東大監督を経て駿台学園に赴任。考える野球をチームに植え付ける。2020年には市原優人コーチ、井上裕貴コーチが加入し、指揮官をサポート。指導体制は東東京屈指となっている。三角監督は「選手たちには、自分の意志で自分自身を変えていく勇気を持ってほしい。選手たちは、ちょっとした変化で劇的に成長していく」と見守る。グラウンドには活気ある声が響き、選手たちが切磋琢磨。チームには新たな歴史を作る覚悟が芽生えてきた。
■粘り強く勝ち切る戦い
今季のチームは、關川ツインズのほか、大型スラッガー佐々木優(2年=内野手)らポテンシャルの高い選手が揃う。關川夏生主将は今夏まで捕手だったが、新チーム始動時にピッチャーへコンバート。投手陣は、關川夏生主将、1年生サウスポー松崎瞬(1年)が軸。1年生キャッチャーの渡部素直も安定し、センターラインの見込みは立った。關川莉久、佐々木、片野壮一郎(1年=内野手)の打撃陣も快音を響かせる。秋季一次予選は、松崎の好投によって昭和に4対1で勝利して都大会進出を決めた。経験値の高い2年生に、実力ある1年生が加わるチームの可能性は大きい。關川夏生主将は「自分たちの代で絶対に結果を残したい。惜しい試合ではなく、粘り強く勝ち切る戦いをみせたい」と力を込める。選手たちがそれぞれの限界を突破したとき、次なる道の扉が拓ける。