中央高時代の1987年に甲子園出場
中高一貫6年間のチームワークが武器
前身の中央高時代に夏甲子園出場実績がある中央中等。2022年度からは前高崎監督の境原尚樹監督が指揮。今秋はベスト16に進出するなど実力の一端を示した。
■完全中高一貫制の野球部
中央中等教育学校は2004年に完全中高一貫制で開校した。創立から19年目を迎えているが、東大、京大の合格者を輩出するなど県下トップレベルの高い進学実績を誇っている。野球部には伝統が根付く。前身の中央高校時代の1987年には、松本稔監督率いる野球部が夏の群馬大会を制して初の甲子園出場を果たし、PL学園と対戦している。松本監督はその後、母校・前橋を指導し、中央中等監督へ。2021年度まで指導して現在は伝統校桐生の指揮官となっている。今春、境原監督が着任し中央中等野球部を引き継ぐと、「スリリングベースボール」を指針に掲げて、新たなスタートを切った。
■「中央」の伝統を継承すべく勝利追求
中央中等野球部(高校)の現在の部員数は2年生10人(女子マネージャー1人)、1年生4人(同1人)。選手は計12人で、各大会へ向けて練習に励んでいる。完全中高一貫教育のため高校からの入学者は無し。1学年の定員は男女各60人の計120人。全県的に野球人口が減少している中で、中央中等でも部員は年々減少。高校からの部員補充が見込めないため、来年秋大会以降の単独チーム出場が懸念されている状況だ。今季の選手たちは、「中央」の伝統を継承すべく結果にこだわっていく。
■新チームは秋2勝で「手応え」
今秋に始動した新チームは、1年時に松本前監督、2年春からは境原監督の指導を受けたハイブリッド型。2年生たちは昨年から試合に出場していたため経験値は高い。島田宗一郎主将(2年=捕手)は「松本先生からはどうやってうまくなるかの技術を教えてもらい、境原先生からはどうやって勝つかの戦略を教えてもらっている。技術と戦略をグラウンドで表現することで勝利をつかみたい」と話す。新チームは秋季県大会で、公式戦3年ぶりに勝利。1回戦で渋川に14対9、2回戦で沼田に8対1で勝利してベスト16へ進出した。ベスト8進出をかけた3回戦では明和県央に屈したが、春・夏へ大きな手応えをつかんだ。主砲・柳鶴泰晴(2年=内野手)は「中高一貫ならではの仲の良さが武器。人数は少ないが全員の力を合わせて勝ち上がっていきたい」と練習に打ち込む。選手たちは、中高一貫6年間の絆を力に、「考える野球」で勝利を追求していく。