中学生レポート 〜未来の高校球児たち〜
高崎中央ボーイズ(高崎ジャイアンツ)
技術・身体能力・判断力を磨いて、いざ高校野球へ
2021年春季全国大会準優勝など実績多数
2021年春の全国大会で準優勝を果たすなど実績を挙げている高崎中央ボーイズ。多くの高校球児ならびに甲子園出場者を輩出するチームをレポートする。
育成システムに熱視線
高崎中央ボーイズは6度の全国大会出場を誇る中学硬式野球の強豪だ。主なOBは、プロ野球・元中日の三ツ間卓也。最近の卒団生では、健大高崎3年生・野中駿哉(今春に日体大へ進学)、前橋育英2年生・岡田啓吾主将、桐生第一2年生・田村淳陽らが高校野球でプレーしている。今春卒団する3年生(20期生)は2021年春季全国大会で準優勝を成し遂げるなど全国レベルの戦績を残し、県内外からその育成システムに熱視線が注がれている。3年生(20期生)は健大高崎、農大二、前橋育英、桐生第一、常磐、樹徳、法政二などに進学する予定で、各高校で甲子園を目指していく。最近では、高校卒業後に東京六大学野球や東都大学野球、首都大学野球でプレーする選手も増えている。
育成のスペシャリストによる指導
現在の選手数は3年生24人、2年生24人、1年生22人。高崎、前橋、安中など広いエリアから選手が集まり、高いレベルの野球に触れていく。
練習は、月・水曜日が専用トレーニングジムでのフィジカル練習、木曜日は夜間練習、土日は実戦形式のスケジュール。指導するのは、プロ野球巨人・野球振興部長を務める倉俣徹監督。米国でスポーツ科学を学んだあと巨人のトレーニングコーチを任されて、オフシーズンに地元群馬県で野球指導を始めたのがきっかけで、チーム結成となった。育成のスペシャリストは野球の基本技術を教え込むとともに、フィジカルトレーニングによって運動能力を伸ばす。そして、実戦形式の練習で判断力を磨いていく。
倉俣監督は「甲子園、プロ野球を目指すことはもちろんですが、野球を武器に世界で活躍できる人材を育てていきたい」と育成に打ち込む。
高校野球で甲子園に行くのが夢
新3年生は、神戸偲文主将(2年・一塁手=安中二中)を中心にしたスケールの大きなチーム。2021年12月のキャッチボールクラシック全国大会で優勝するなど力を伸ばす。大型内野手・淡路温史副将(2年・遊撃手=高崎中尾中)、走攻守のバランスが取れた外野手・河原唯斗副将(2年・中堅手=高崎吉井中央中)、右アンダースローの上原和玖(2年・投手=高崎塚沢中)ら能力の高い選手が切磋琢磨している。神戸主将は「県大会で優勝して全国でも勝ち上がれるチームを目指します。卒団後は、高校野球でプレーして甲子園へ行きたい」と目を輝かせる。
主将/神戸偲文(2年・一塁手=安中二中)
副将/淡路温史(2年・遊撃手=高崎中尾中)
副将/河原唯斗(2年・中堅手=高崎吉井中央中)
Pick up/上原和玖 (2年・投手=高崎塚沢中)
高崎中央ボーイズ・倉俣徹監督
野球を通じた人材育成
「野球は状況判断のスポーツ。技術、身体能力に加えて判断力が求められます。将来、野球に携わっていく人材を育てていきたいと考えています。高崎中央ボーイズを巣立った選手たちが高校野球で頑張る姿、甲子園でプレーする姿をみることが一番のやりがいです」
【監督プロフィール】1962年群馬県生まれ。桐生南高ー東京学芸大。東京学芸大学院卒業後、米国スポーツアカデミー大学院でスポーツ科学を学ぶ。帰国後、NPB巨人の通訳兼トレーナー。巨人の業務をこなしながらオフシーズンに群馬県内で子どもたちの野球教室を実施し、その後、野球高崎中央ボーイズを結成。2021年度で22期目。巨人軍野球振興部長(元トレーニングコーチ・ジャイアンツアカデミーヘッドコーチ)。