【矢板中央 野球部】 「心を鍛える」 #矢板中央

「練習=公式戦」の意識付け
心技体の強化で目指す頂点

2009年秋準優勝、2014年春準優勝など実績を残す県北の私学実力校・矢板中央。オフシーズンにフィジカル強化を図ったチームは、心を鍛えることで強くなっていく。

■立ち上がりがチームの課題

2009年秋に栃木県大会準優勝で関東大会へ出場するなど確かな実績を残してきた矢板中央。最近では2017年夏にベスト8、2019年春にベスト8へ進出するなど上位をうかがっている。コロナ禍の2年間は3回戦が最高位だが、敗れた相手は私学強豪が多く、決して力がないわけではない。2021年春からの3大会はいずれも初戦で屈する結果になったが、課題ははっきりとしている。いずれも初回に失点して、力を発揮できずにゲームを終える展開が続く。黒田純一監督は「立ち上がりに受け身になってしまい、ずるずるとゲームが進んでしまっている。試合前から戦いは始まっている。公式戦と同じ緊張感で日々の練習に取り組んでいかなければいけない」と意識改革を促す。

■チームに漂う「緊張感」

現在は2年生14人、1年生12人の26人。春には約20人の新入生が加わる見込みで、競争は熾烈になる。チームをまとめるのは俊足巧打の伊藤駿汰主将(2年=外野手)と、声でチームを牽引する渡邉涼介(2年=外野手)のふたり。エース・安積昂明(2年)、4番・池澤叶多(2年=捕手)、攻守の要・奥山龍聖副将(2年=内野手)ら投打の戦力は整っている。ランナー付きのシートノックではストップウォッチでタイムを計り、攻守の状況判断力を高めている。ミスや判断が甘いプレーが見られると、選手たちは互いに指摘し合って、改善を要求。チームには緊張感が漂っている。守備の軸となる奥山は「練習でできないことは試合ではできない。試合で勝つために甘い部分は直していかなければいけない」と率先垂範で声をかける。

■もう悔しい思いはしたくない

昨年の秋季大会は初戦で青藍泰斗と対戦し、序盤にリードを許したが決死の戦いでシーソーゲームに持ち込んだ。だが8回に被弾し乱打戦の末に9対12で敗れた。勝機はあっただけに細かなミスとゲーム運びが悔やまれる。初回の守備と共に精神面の課題も浮き彫りになった。渡邉副将は「僕たちには夏まであと半年しか時間がない。これまで悔しい思いをしてきたので、最後は良い結果をつかみたい。そのために何をすべきか考えていかなければいけない」とボールを追う。秋季大会を負傷欠場した伊藤主将は「秋はチームに迷惑をかけてしまったので春・夏は勝利に貢献したい。みんなの気持ちを一つにして大会へ向かっていく」と話す。黒田監督は「体はトレーニングによって強化できるが、心の部分は選手たち自身の意志しだい。心と体の両輪がかみ合えば、このチームは強くなれる」と期待を寄せる。

日々の練習で心を鍛えるチームは、その成果を結果で表現する。夏は、自分たちの成長を示す場だ。

 

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