【安田学園 野球部】「熱く、前へ」 #安田学園

秋季都大会ベスト16進出
新体制で2度目の甲子園へ

2013年春の選抜に出場した実績を持つ伝統校・安田学園。昨年秋の秋季都大会でベスト16進出を果たしたチームは、2度目の甲子園を目指して、熱く、前へ進んでいく。

■新エース吉村の好投で秋飛躍

秋季都大会は、投手陣に負傷者が相次ぎ、チームはスクランブルだった。山田怜央(2年)、山口陽(2年)、藤本航平(2年)の主戦候補がマウンドに上がれず、セットアッパーの右サイド投手・吉村優佑(2年)を軸に戦った。その吉村が大会を通じて急成長。それによって自慢の打撃力が生きる結果となった。1回戦で東農大一を撃破すると、2回戦では実力校・郁文館と対戦。先発・吉村が7回まで1点に抑えて1対1で8回へ。8回に1対3となったが、9回表に打線が意地をみせた。土壇場で一挙4点を奪い逆転に成功すると、9回裏はリリーバー篠田彗(2年)が締めて、ベスト16へ進出した。3回戦では二松学舎大附に対して新エース吉村の好投、主砲・河合吾秀(2年=外野手)の本塁打などで応戦。結果は3対7の敗戦となったが、堂々の戦いぶりをみせた。

■理念は「今日一日の事」

安田学園は2020年夏まで名将・森泉弘監督が指揮を執った。2012年の秋に都大会を制して2013年の選抜で甲子園初出場を成し遂げると2020年夏までタクトを持ち、同年秋には会田勇気監督にタスキを渡した(森泉監督は、総監督就任)。

2015年からコーチとして森泉前監督を支えてきた新指揮官は、伝統を引き継ぎながら新たな一歩を踏み出した。チームの土台は、学校創始者の安田善次郎氏の言葉である「今日一日の事」。今を大切に全力で生きる。選手たちは、この言葉を拠り所に練習に励む。

そして、会田監督は、秋季大会後にチームスローガンとして「熱く、前へ」を掲げた。「高校野球は、2年半という限られた時間です。チーム一丸となって、熱い気持ちで挑戦してほしいという願いを込めています」(会田監督)。選手たちは、1日1日に情熱を燃やし、前進していく。

■昨年末に髪型自由化、新たな出発

2022年の夏へ向かうチームは、小畑泰輝主将(2年=内野手)、都屈指の長距離砲・河合の両スラッガーが軸。1年生ながら5番を任されている今井裕治(内野手)も力を伸ばす。投手陣は、秋季都大会で好投した吉村が自信をつけると共に故障者が復帰し、投手層は確実に増した。投打のバランスが整いつつあるチームは、春・夏へさらなる飛躍の予感が漂う。

昨年12月には指揮官の提案によって、野球部員の髪型自由化を決めた。「脱坊主」で、チームのタイムラインに新たな歴史を刻んでいく。小畑主将は「チームの目標は『応援されるチーム』。野球の技術だけではなく、精神的にも強くならなければいけない。たとえ技術で勝てなくても、声や雰囲気は負けたくない。チーム一丸となって勝てるチームになっていきたい」と球春を待つ。秋ベスト16は飛躍の序章、このチームには大きな可能性が秘められている。

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